大人になると忘れてしまうこと。

授業なんて聞いてなかった。
教師をバカにしてた。
塾はさぼった。あんまり意味なかった。
問題集は「自分にあったもの」じゃなくて、わりと有名なもの、で充分。あれこれ手を出さなかった。
なにより「問題集選び」で迷わなかったし、そんなこと大人に聞こうともしなかった。
教科書ガイドあれば、「先生」なんて必要なかった。

友達とそれなりにうまくやっていた。
友達から受験勉強に関する情報も手にいれた。
そういう話の輪に入ってこない子をバカにしてた。
そういう子は、親が面倒そうな親で、それでもその子はママにくっついてばかりいた。
その子は学校で起きたことを(高校生になっても)、あれこれママに言っていたらしい。
自分は小学校からずっと、学校であったことを親に話すことはあまりなかった。
もちろんイヤなこともあったけど、自分でなんとかしてた。
でも「その子」は、担任に言いつけてみたり、それがウソで叱られてたりして笑われてた。
「その子」は結局、「バカだから」そんななんだろうってみんな思ってた。

よく考えると、「その子」は、わりと真剣に授業を聞いていた。
ただ、教科書とノートを見比べたり、机の下で参考書引いたりすることはなかった。
じっと、先生のほうをみて、たまに頷いていたけど、テストの成績は散々だった。

当時は「その子」のことは、気にかけてなかったけど、結局「その子」は自立できていなかったからバカだったんだろう。

自分たちは、教師や塾をバカにして、親から学校のことを聞かれても、ろくに返事もせずに…
それでも、自分のことは自分でしっかりやって、それなりにいい点数を取りつづけた。