★(朝日新聞続き)
市教委はコピーを渡すことについて、事前に市や柏児相に相談しなかった。柏児相や警察も参加する市の「要保護児童対策地域協議会」の実務者会議が2月20日にあり、コピーを渡したことが報告されたという。
 市教委指導課の矢部雅彦課長は取材に「コピーを渡すことで、父親のことを子どもがどう考えているかを知ってもらい、それが(虐待の)抑止力につながると考えた。対応は配慮が足りなかった」と話した。
 子どもの虐待問題に詳しい和田一郎・花園大学准教授(児童福祉)は「小4の子どもが必死に助けを求めたのに、学校や市教委は、加害者である父親の圧力に屈して伝えてしまった。こんな事例は記憶にない」と話す。
 一時保護によって、父親が学校側に抗議をしてきても「児童福祉法に基づき対応した」と毅然(きぜん)と対応すべきだったと言い、「親に伝えてしまったことで、リスクは高くなった。子どもは、その後SOSを発することが難しくなった。児童虐待で子どもが死亡する場合は、いくつものミスが重なって生じるが、現時点では最大のミスだ」と指摘する。