★ 児童養護施設 殺害事件 逮捕の男 退所後恨み募らせたか
東京 渋谷区の児童養護施設で施設長の男性が刺されて死亡した事件で、逮捕された22歳の男は、18歳になって施設を出たあと仕事をすぐに辞め、アパートの大家ともトラブルになって、ネットカフェなどを転々としていたことがわかりました。
男は「施設に恨みがあった」と供述していて、警視庁が詳しい経緯を調べています。

25日午後2時前、東京 渋谷区幡ヶ谷の児童養護施設「若草寮」で、施設長の大森信也さん(46)が刃物で刺されて死亡し、警視庁は、4年前まで施設で暮らしていた田原仁容疑者(22)を殺人未遂の疑いで逮捕しました。

これまでの調べで「施設に恨みがあった。施設の関係者なら誰でもよかった」と供述しているということですが、その後の調べで、田原容疑者は18歳で施設を出たあと、就職した会社を1か月ほどで辞めていたことがわかりました。

また、施設の紹介で入居した東村山市のアパートでも、去年9月、家賃を滞納したり壁を壊したりして大家とトラブルとなり、その際、大森さん以外の施設の職員が相談に乗っていたということです。

その後、事件までの間、埼玉県のJR大宮駅近くのネットカフェなどを転々としていたということです。

警視庁は、施設を出たあと、さまざまなトラブルを抱える中で恨みを募らせていったとみて、今後、容疑を殺人に切り替えて詳しい経緯を調べることにしています。

施設理事長「住まいのことで困ったと聞いていた」
事件が起きた児童養護施設「若草寮」の理事長、西澤猛さんは「驚きました。施設長が亡くなり、ショックです。同時に、残された子どもたちに対して、どのようにフォローしていけるか考えていかないといけないと思っています」と話していました。

死亡した施設長の大森さんについては「とてもいい人で、中心となって熱心に活動していた、得がたい人でした」と悔やんでいました。

また、4年前まで施設で暮らしていた田原容疑者については「施設にいるときは目立たない子どもでした。今回の事件に結び付いたかはわかりませんが、最近、住まいのことで困ったことになっていたという話を聞いていました」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190226/k10011828471000.html