<「質問三羽烏」〜渡辺竜王が先輩棋士を厳しく批判>

 NHK杯戦準決勝の観戦記(「NHK将棋講座」5月号64頁)の冒頭に記された渡辺明竜

王の痛烈な三浦八段批判である。

「若手にメールや電話で聞くのはA級棋士としての自覚に欠けると思います。そういう人
たちの将棋は並べる気もおきませんね。目新しい手を指しても、どうせ誰かに聞いたんだ
ろ、と思ってしまいますので。こういう人には負けたくないです」(渡辺)。                            

 三浦八段は、若手棋士から最新の序盤情報を入手しており、「三浦八段の得意な脇シス
テムや相横歩取りは、実はすべて若手の研究なのです」(事情通)
と言われるほどだ。こうしたことから、渡辺竜王は、三浦八段の他、丸山九段、深浦八段
の3人を「質問三羽烏」と呼ぶなど、こうした行動をとる棋士を厳しく批判している。

 こうした最近の渡辺竜王発言について、「先輩をなで斬りにする辛辣な口調は若き日の
升田幸三のよう」と懐かしむオールドファン声も。
いずれにしても、「質問三羽烏」とは、なんともユニークな呼称であり、読んでいて微笑
ましくなる。

 観戦記は、「現代将棋と情報は切っても切り離せない。画一的な内容は面白味に欠ける
というファンの声も少なくない。
だから、渡辺は棋界を代表する竜王として、序盤偏重の傾向に危惧を抱いている。冒頭の
言葉はそういう観点から発せられたものだ。
決して個人的中傷ではないことを断っておきたい」とこの話を結んでいる。



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