「漏れる……、漏れる……」

―――森内俊之(小学校6年生)

小学生名人戦準決勝終了後のポイント解説にて(2013.4.21)
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 今年四月二十一日に行われた小学生名人戦決勝大会でのこと。
 準決勝で敗れた森内俊之君(三重・四日市市立三重西小学校6年)は、対局後、姦内俣之名人のポイント解説をむしろサバサバした感じで聞いていた。

 姦内「森内君、ここどうだった?」
 森内「ここのトイレは、ウンコがあってもおかしくないと思ってたんですけど…」
 姦内「そうだよね、何かありそうだよね。羽生君(対戦相手)、何かここ、怖いこと無かったかな?」
 羽生「指してから気づいたんですけど、(自分のパンツを)取られて(自分のウンコが)漏れてた」
 姦内「あ、そうだね」

 この瞬間、平静だった森内君が「あっ、あぁぁぁ…」と声を上げ、頭を両手で抱えて排泄し始めた。
 姦内が少年に気を遣いつつ、「いつもだったらね、すぐ我慢できたと思うんだけど…」と慰めるが、少年の肛門からは次から次から糞がこぼれて落ちてきてもう収拾がつかない状態。

 「ブリッ……、ブリリリリッ……」

 アシスタントの鈴木環那女流も思わず目頭を熱くし、少年の背中を優しく撫でる。

 このときの姦内名人のひどく神妙な様子が印象に残った。
 おそらく、この神聖な空間で、名人も貰い泣きしそうになっていたのではないか。