「羽生が名人や竜王に力を入れれば取れる」と思い込んでいる時点で、
羽生オタさんも角馬鹿さんと言われている人もオマヌケだと思う。

「羽生も十分に、名人戦や竜王戦に力を入れている」んですよ。
この事実から目を背けている人が多い。

「羽生さんが名人戦や竜王戦に力を入れればもっと取れるはずなんだ」なんてのは、
ファンの精神的な「逃げ」だと思いますね。

そもそも「力を入れているか」「力を入れていないか」という議論になる時点で、おかしい。
真の強者って、力を入れているか、いないかなんて、感じさせずに大事なタイトルをサラリと取るから
「もっと大事なタイトルに絞って力を注げばいいのになー」なんて話に、ならないんだよ。

そんなに身構えなくても、他を切り捨てて大事なタイトルだけに臨まなくても、大きなタイトルを取れちゃうんだよ。
羽生にはそういう「流れ」がない、昔から今に至るまでね。
サラリと最重要なタイトルを取れちゃうのは、木村や大山や中原もそうだったけど、そういった同じ将棋の過去の棋士だろうが、
違う分野のプレーヤーだろうが、絶対王者系の人間なら、悪いけど平常運転なんだよね。

ゴルフでマスターズタイトルを稼ぎまったジャック・ニクラウスやタイガー・ウッズ然り。
テニスでウィンブルドンタイトルを取りまくるロジャー・フェデラー然り。
より近い存在として、囲碁界で本因坊、棋聖、名人を他4つのタイトルと同等以上のペースで取りまくる井山裕太然り。
絶対王者は、大きなタイトルになるとイマイチ、みたいな雰囲気は感じさせない。
最も重要なタイトルを多く稼ぎつつ、その分野で重要とされているいくつかのタイトルの総獲得合計数を押し上げていく。
絶対王者として自然な取り方なんだよ。

絶対王者扱いされながら、羽生みたいな議論が巻き起こっている人なんてまず、いないよ。
そういう議論が起こる時点で羽生って絶対王者とは言い難い。
絶対王者「扱い」されているだけ。
今はファンがとにかく多いからね。弱点をもみ消してしまっているだけ。
後世の人はね、そういう「穴」を見逃してくれませんから。