>>992
森内ー羽生の名人戦時代を見ると分かりやすいでしょう
当時は相矢倉研究全盛期で勝勢になる変化まで研究し尽くされていました
なので羽生がどれだけ強くても名人戦で森内にpona新手を繰り出されれば手も足も出ず敗れたわけです

このように有力な作戦や新手は温存しておいてここ一番で使うことが可能です
相手が知らないでノコノコついてくれば確実に殺せるので
藤井九段の藤井システムも、谷川との竜王戦七番勝負ギリギリまで温存され、炸裂しました

逆に後手番などで研究局面への誘導が難しく、むしろ相手の望む局面に誘導されやすい対局では、力戦系の一回使い捨ての作戦を使いそれを回避することもできます

例えば2015年に豊島ー天彦のタイトル戦挑決は二回行われましたが、豊島は棋聖戦では3手目25歩と突き、王座戦では即座に角道を止め、あえて多少不利な形にしてでも天彦の研究が深い後手横歩を避けました

つまり質量両方の意味で言えると思いますが、より大事なのは隠し玉となる作戦や使い捨ての作戦の量なので
量が大事といえると思います