今振り返ってみれば、羽生は「王位」も「王座」も捨てたのだった。
どちらのシリーズでも羽生はわずか1勝しかできなかった(菅井4勝、中村3勝)。
将棋の内容もどこか淡泊に感じられた。

 しかしそれは、羽生の衰えの表れというよりも、合理的な選択と集中の結果だったといえよう。
普通の棋士にとっては、1期獲得するのも至難の業であるタイトルを弊履の如く捨て去り、
最後に残った永世称号を「竜王」戦で獲得することに照準を合わせていたのだった。
「竜王」戦決勝トーナメントで対局した棋士たちも、「永世竜王」に賭ける羽生の意気込みを感じていたという。

羽生善治「永世七冠」決め手は「捨てる」 - 村上政俊
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