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2017.12.27
第67期王将戦挑戦者・豊島将之八段『持ち続けたタイトルへの思い』
将棋世界編集部(編集)

【12月29日発売、将棋世界2018年2月号に掲載の本記事一部をご紹介します】

久保利明王将への挑戦権を争う第67期王将戦挑戦者決定リーグ最終戦が2017年11月21日に東京「将棋会館」で行われ、豊島将之八段が七年ぶり2度目の王将戦七番勝負登場を決めた。前回2勝4敗で敗れた時と同じ相手に挑む豊島八段が、挑戦権獲得までの道のり、現在の心境などを語った。

7年ぶりの再戦
―― 王将戦七番勝負は7年ぶり2度目の登場で、対戦する相手はそのときと同じ久保利明王将になります。

豊島  久保王将は同じ関西の先輩で、一時期はVS(1対1で行う研究会)でも教わっていました。高野山で行った合宿に連れていってもらうなど、とてもお世話になっています。「さばきのアーティスト」と呼ばれるように、振り飛車でさばいていかれる印象が強いですけれど、悪くなっても崩れない、粘り強さにも特長があります。

―― 7年前は2勝4敗で敗れました。

豊島  前回は自分にとって初めてのタイトル戦で、何もよくわからないまま対局をしていた気がします。敗因については、経験の差もあったでしょうが、純粋に実力が足りなかったですね。自分の力は発揮できたと思いますが、全体的に力の差を感じたシリーズでした。

―― その後、しばらくタイトル戦への登場はありませんでしたが、2014年に電王戦に出て、ソフトと戦いました。

豊島  コンピュータ将棋がプロのレベルに迫ってきた時期で、その頃、自分の勝率は7割を超えていたのですが、強くなっていく感じがあまりしませんでした。「このままではいけない、何かを変えていかなくては」という思いがあり、電王戦への出場を決めました。

―― 結果はソフト、YSSに勝利。その経験は大きかったのでしょうか。

豊島  それまで全く触れてこなかったコンピュータ将棋のことを少しは理解できたとは思います。しかし、それをすぐ自分の成長に結びつけることはできず、どういった勉強をすればよいかは試行錯誤しました。

続きは将棋世界2018年2月号にてお楽しみください。