>>942
潜龍の昭玉と吉信の眞玉?は同じ書体です。
中村碁盤店は潜龍銘を用いて製作販売しておりましたが、初期の頃は店主の吉信を用いていたようです。
奥野一香や豊島龍山は戦前に亡くなり東京駒の流れは絶えてしまい、東京には駒を製造する者はいません。
そこで、中村碁盤店は駒の製造販売を始めますが、店主は駒を作れず職を失った奥野や豊島の外職に駒作りを依頼しました。
吉信の眞玉?は、駒成型の形(特に奥野面取)から作者は奥野の外職である昇竜斎であろうと推測され駒マニアに28万で落札されました。
一方、潜龍の方は戦後の作品で、金井静山の手による物と思われます。
理由は盛り上げの様子が静山の盛り上げに酷似しているからですが、確たる証拠はなく駒マニアに9万3千円で落札されました。
初期の潜龍の作者は昇竜斎、大竹竹風と思われますが、竹風氏は一人前の駒師ではなく、昇竜斎が外職経験がありました。
所詮外職の昇龍斎には奥野書体以外の知識はありませんし大竹竹風はなおさら知りません。
従って、当初の作品は書体銘はバラバラで書体銘と内容は一致しない物が多数残されています。
静山が作成に加わって以降は静山が持っていた豊島字母紙に統一されたようです。

静山、大竹、昇竜斎以外にも作者はいるようですが、潜龍銘の駒は、現代レプリカ駒の元祖ですが。
指摘の駒書体はオリジナル書体ですからマニア向けの駒で、もっと高評価して良い駒ですね。