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日本将棋連盟TOP 将棋コラム 永世棋聖の佐藤康光九段。伝説の「第61期王将戦」をご紹介。盤外でも、ファンのため全力を尽くす彼の魅力とは? ライター: 直江雨続  更新: 2017年02月05日

2011年度には2度目の升田幸三賞を受賞しています。その2度目の升田幸三賞を受賞した「▲5七玉」の一手が出たのが第61期王将戦、久保利明王将に佐藤康九段が挑戦したシリーズの第1局となります。

伝説の番勝負 第61期王将戦

2012年1月8日(日)9日(月)に行われた第61期王将戦七番勝負 第1局 佐藤康光九段 VS △久保利明王将。この対局の25手目に驚愕の一手が飛びだしました。

それがこの▲5七玉!これは次に後手の飛車に5六の歩を取られるのを防いだというものですが、しかし、玉が単騎で5七の地点に上がって5六の歩を守るという構想には誰もが驚きました。この手はファンからは「天空の▲5七玉」「ラピュタ玉」などと呼ばれることになります。

佐藤康九段はこの対局に勝利すると、第2局も勝利、さらに2012年2月16日(木)17日(金)に行われた第3局でも驚きの構想を見せます。

51手目の▲6五銀上! ご覧ください、この盤面中央に並んだ三枚の銀の美しいフォーメーションを。ファンから「天空のシルバートライアングル」と呼ばれる伝説的局面です。この対局にも勝利した佐藤康九段は開幕3連勝。続く第4局は敗れたものの、第5局に勝利して自身にとって3年ぶりのタイトルを獲得したのです。

翌年の王将戦では挑戦者となった渡辺明竜王に1勝4敗で敗れてタイトルを失冠してしまいますが、ファンは佐藤康九段が再びタイトル戦の舞台で独創的な新手を繰り出してくれることを楽しみに待っています。