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2017年12月25日 (月) 16:00 高見、逆転勝ちでベスト8進出 豊島将之八段―高見泰地五段:第3期 叡王戦本戦観戦記 ニコニコニュース

初対戦
 24歳の高見は、3歳上の豊島との初対戦に心を高鳴らせていた。
 「豊島先生はトップ棋士で、年齢がたった3つしか違わないということに驚きます。年は近いですが、実績やクラスでは遥か遠くの存在で、誰もが認める実力者です。盤を挟むことも初めてで、とても楽しみにしていました」(高見)

予定の横歩取り
 午後3時に対局が始まると、後手の高見が横歩取りに誘導した。

 実戦は▲2八歩としたがその後、△6五桂(第3図)が渾身の勝負手だった。

豊島、勝負手を逃す
 第4図は3八の馬を引いたところ。
 ここで▲6七玉が勝負手だった。以下(1)△3四歩には▲2二歩△3五歩▲2一歩成△3六馬▲5四桂△6九馬▲7八金が並び「負けていてもおかしくない」と高見。また、(2)△3六馬には▲4四銀△3四歩に▲3三歩と打ってこれも相当である。

夢見心地の勝利
 「△7六香(第5図)の局面は、踏み込めば勝てそうだという直感があったので、自分を信じて踏み込もうと思いました。△2九角成など、角を逃げる手は考えませんでした。ただ、寄せに出ると駒を渡しますし、ミスが許される相手ではないので、冷静になるのが大変でした」(高見)

 強敵を破った高見。感想戦が終わると廊下のソファでぐったりしていた。
 「終局直後は夢見心地といいますか、本当に現実なのか……という感覚でした。11月1日の組み合わせ抽選会の日から、決勝戦のような相手と1回戦で対局できるという、この対局に向けての意識は自分にとって予想以上に大きかったのだと思います。
画面の向こうで応援してくれている人たちと一緒に自分自身に夢を見るようなつもりで、次局も気負いすぎず、しかし気持ちを強く持って最後まで戦い抜けるように頑張ります」(高見)

(観戦記者:池田将之)