宗古が対戦を承諾すると、板倉は是安を屋敷に呼んだ。

「お殿様、いつもお世話になっておりまする」
是安は神妙に正座をして板倉の前にかしこまった。

「おお、是安、大儀であった。が、顔色があまり優れぬな。花見小路あたりの酒はあまり過ごさぬがよいぞ」
板倉はこれから申し伝えることがいかに是安にとって残酷なものであるかに戦慄し、それでも重く口を開いた。

「宗古は手合わせを承諾した。だがな、対戦相手は宗古ではない、宗看じゃ」

「望むところにございまする。宗古殿はもはや死に馬も同然。宗看殿を倒せば、もはや将棋所を倒したも同然・・・」

「だがな、

おっと回覧板が回ってきたので続きはまた