レポ【3】一日目現地
 名人戦当日。5月と初夏にも関わらず薄らと肌寒さを覚える。ニコニコ生放送にて「現地の様子」として伝えられた青空の写真は恐らく前入りした際のものと思われ、実際は小雨降りしきる中で3局目は始まった。
それとTSを観ていて現地との差異を感じたことがもう一つ。サイレンの音や風の音など、かなり騒がしい場所と思われたかもしれないが、実際は観光地の割に穏やかで喧騒も激しくなく、風はそこまででもなかった。
少なくともサイレンの音はこの二日間聞いた覚えがない。対局室のマイクが特別にサイレンの音を集音し易いのかもしれないと思った。ただし、風流な寺の鐘の音だけは館内でも聞こえた。

昼頃、近鉄奈良駅から東向商店街を通り抜ける。右手側におあつらえ向きにもベトナム料理屋があったので、「フー」を食しそのまま興福寺へと向かった。
突き当たりの三乗通りを左に折れ、猿沢池前の石段を昇ると会場への経路札が見える。
三重の塔の奥、ガードマンが警備する簡易門の奥に今回の大盤解説会場、興福寺会館が存在した。
前日に「大盤解説の席は充分にあり、埋まることはまずないので時間丁度でよい」との情報を聞いていたため到着したのは解説開始10分前だったが、やはりその通りでこの日の席は若干余裕があった。
 尤も、翌日はご存じの通りエラいことになるのだが。