ほらね藤井くんの脳裏をよぎるのは、
羽生竜王の首を狩りたいのただ一つ。
他は眼中にない様子。
昨年はあれほど中学生タイトルを期待されながら、
果たせなかった悔しさ、無念を忘れていない。
負けた帰りのタクシーの中では、ひっくり返って
コガネムシのように手足をばたつかせて泣いていた。