叡王戦第三局観戦記より
そりゃ夕休はいろいろきつかったろうなあ
ケーキ「前進松島」のその後も気になる


>勝負が終わればノーサイド。打ち上げでは2人とも関係者と快活に話をした。
 アルコールが入って心地よい疲労感を楽しんでいると、見がほとんど何も食べていないことに気づいた。
乾杯のビールに口をつけた程度である。

「いやあ、ちょっと胃がムカムカして。夕食もうな重を頼んだんですけど、ウナギしか食べられませんでした。
担当の方に『上しか食べてなかったですね』って言われましたけど、下のご飯だけを食べる人はいないでしょう」といって苦笑する。
 あまり何も食べないと周囲に気を遣わせると思ったのか、枝豆を少しだけつまんだ。
そして周囲の関係者に積極的に話しかける。疲労困憊だろうに。
 すると見が立ち上がった。森下卓九段のグラスが空になっていることに気づいたのだ。関係者が気を遣おうとすると、
「いいです、いいです」と遮って、離れたテーブルに向かう。
「森下先生、水割りですか、ロックですか」
 そう笑顔で尋ねる見の表情が眩しかった。