「殿は角香交じりと言われたが、まさか角落ちが先ではあるまいな。角落ちが先なら、勝っても次は香落ち。
平手を指すことあいかなわぬ。これはなんとしても香落ちを先にしてもらわねば・・・・・」

やがて対局の日が訪れた。
見分を兼ねて見学に来ていた板倉が宗古に尋ねた。
「手合いは角香交じりと決しておったが、どちらが先じゃ?」

「さて・・・そこまでは考えておりまさなんだ」

「では、振り駒で決めてはどうじゃ?」

「よろしゅうございます。歩が多ければ宗看の角落ちということで・・・」

振り駒の結果はと金が3枚出て香落ちを先に指すことになった。


香落ち番は是安の快勝となった。
ここぞとばかりに板倉は提案した。
「どうじゃ、香落ちでも是安の快勝。こうなればもはや角落ちは指すに及ばぬのではないか?
平手戦を見せてもらったほうが、我々ととしても趣向が湧くというものじゃ」

「殿、ありがとうございます」 是安は心の中で板倉に手を合わせた。

次回手合わせの日時と場所、そして手合いをどうするかについては3日後に決めることになった。

おっと救世軍京橋小隊が義援金の集金に来たので続きはまた