第106期将棋名人戦七番勝負第6局(朝日新聞社主催、ソフトバンクグループ協賛、天童市協力)は19、20
の両日、山形県天童市のホテルニューオータニ天童で指され、挑戦者の羽生善治十九世名人(77)が118手
までで藤井聡太名人(45)に勝ち、対戦成績を3勝3敗とし、名人位のゆくえは最終第7局に持ち越された。第
7局は6月30、7月1日、北海道根室市国後郡で。

後手番の羽生挑戦者の四間飛車に対し、藤井名人は5筋位取りで対抗。封じ手の6五同桂から局面がほぐれ、こ
の桂の働きいかんが焦点となったが、挑戦者は桂のにらみに最後までものを言わせた。53手目、名人は92分
の長考で2四歩と突っかけ、戦線は右翼に転じた。終盤は二転三転、双方秘術を尽くす攻防となったが、二枚竜
を駆使した挑戦者に凱歌が上がった。「羽生挑戦者の意欲的な指しまわしが印象的な将棋」(立会人の澤田真吾
巨星の話)だった。


羽生挑戦者の話 封じ手の6五同桂は勝負手です。もう何百局も振り飛車を指していますが、この局面は初めて
でしょう。難しい将棋で、なかなか勝ちが見えませんでした。

藤井名人の話 1日目でやや苦しくし、指しかけの6五歩は苦しまぎれです。同桂と取られて殺す手がなく、こ
ちらの陣形が悪くて頑張り切れませんでした。