9時30分を過ぎた頃、永瀬が対局室に入る。早い到着だ。
上座に着くと、扇子、腕時計、眼鏡ケース、飲み物(ペットボトルの水、緑茶、スポーツドリンク)、袋入りのコーヒー糖、ハンカチ、除菌タイプのウェットシートを周りに並べ、相手と共用の物とは別に自分用のゴミ箱を持ってきて近くに置いた。
持参物の中では、コーヒー糖が新鮮で目を引く。パッケージには「食べるコーヒー 『眠気とばし』」と印字されていた。