「ほも〜!(殿〜!)」
「これは!…また見事な亀甲縛りであるな」
「大事な小姓の身が心配ではないでおじゃるか?」
「受け将棋の甘彦様にどれ程の無体ができるとも思えぬ。しかし複雑な縄目であるな」
「袴の上から亀甲縛りは難儀でおじゃった。恒殿の抵抗も激しくてのう。
しかしこの程度は貴族の嗜みでおじゃる(嘘です)」
「しかし、意外とそそられぬな」
「〜!(がーん!)」
「主上もそう思うでおじゃるか?」
「恒殿には普通の荒縄で単純な縄目の方が似合う」
「この朱い縄目と恒殿の格子柄の着物で目がチカチカするでおじゃる」
「猿ぐつわも、紅絹よりも藍の手ぬぐいの方が臨場感があって良い。しかし、亀甲縛りというのは人を選ぶのう。
豊満な女体か、ガチムチ筋肉質でないと、縄の装飾性に肉体が負けるのだな」
「主上もなかなか造詣が深いでおじゃるな」
「ちょっと荒縄で縛り直して貰えぬか?後ろ手小手高で。猿ぐつわはこの手ぬぐいに変えよう」
「お安い御用でおじゃる。主上、恒殿が逃げないように押さえてたもれ」
「これ真恒、ジタバタ動くでない」
「〜〜〜!!!」
「どうじゃ、主上」
「うむ…ちょんちょんしたい///」
「ちょんちょんしたくば、御署名を」
「…てか、お恒の身は余の腕のうちにあるのじゃが…」
「あ〜!しまったでおじゃる!」
「人質を取らねば承諾させられぬようなことならば、碌なことであるまい。関わる気はござらぬ」
「ぐぬぬ〜。不覚でおじゃった〜」
「頼みごとがあるなら正面突破で参られよ。お恒は貰っていくぞ」
「今日は麿の負けじゃ。恒殿を運ぶのを手伝うでおじゃる」
「ははは、お恒一人くらい、まだ肩に担いで歩ける。(*注:20歳位の金〇さんを想定しています)
戦の場では鎧兜を着て負傷した味方の兵を運ぶこともある。武将の体力を見くびってはいかぬ」
「…左様か…。おやすみなさいでおじゃる…。あんなに軽々と肩に担いで…。
(*注:20歳位の金〇さんを想定しています)恒殿は小柄で良いのう…。
 くすん。明殿に会いたいでおじゃる…」