その2
山下は対象とする局面を制限しているが、当然、制限局面の設定を変えれば平均悪手も変わる
その結果、制限局面の設定条件次第で異なる結果が出るので山下研究への疑問となっている
竹内は2015年に山下と同様に対象局面を<10に制限してGPS等4種類のソフトで平均悪手とEloレートの相関を調べたが「相関はみられなかった」
そのとき、局面を<10に制限すると終盤の局面のほとんどが対象外になってしまうことに疑問をもった
そこで、評価値ではなく悪手の回数だけに変更して(悪手の定義は山下方式と同じ)<50の局面まで調べたところEloレーティングと強い相関が確認できたという
ここで<10とあるのは当時の評価値の仕様で現在の評価値の置き換えると<1000に相当する
<50は<5000を意味するので竹内は悪手の回数を調べるのに最後の詰の局面以外のほとんどを対象にしたということだ
ShogiGuiでは<700と<1500の両方で平均悪手を出しているから山下の平均悪手<10はこの中間の<1000での平均悪手を調べたことになるわけだ

さらに、山下の先行研究に対して2018年にGikou2で再調査したのが馬場と伊藤両名による論文だ
これを詳しく見ていこう