戸辺石田流系本雑感

棒金2枚銀
悪くはない ただし戸辺本では79銀で待機する指し方を棒金対策の中心に据えている(久保新手といって石田流にとって重要ではある)
普通の石田流では左銀の活用を急ぐ(左金の位置を保留したり攻撃形を早く作れるなどのメリットがある)ので少しでもよさを追求するなら本の形にならないというのはネック
指しこなす本でも全く同じ指し方を載せているので、基本読んだあとに指しこなす読むとこれ基本で書いてあるやつそのままじゃんってなって萎える
2枚銀も先に銀を活用すればわざわざ相手の狙いの形を組ませて守りを崩すという指し方をしなくていい

袖飛車
基本手順だけの解説にとどまる感じ、もう少し居飛車にいい条件設定ができるんじゃねって思う
また、アマに多いとされる飛車先不突き袖飛車は一切記述がない

角交換
角交換〜54歩などは触れず居飛車として素直に指した場合の対策のみがある
書かれてる指し方が使える部分については悪くない

升田式
定跡が進まないのもあって今でも基本が最も詳しい気がする

右四間
基本のみだがそこそこまとまっている

持久戦
単騎の桂(基本で示されている手順はダメとされてしまったが……)や駒組になった後の指し方などにも触れ、他の本との差別化を図ろうとしてるのは高評価
他本では詳しくない本組の記述があるので本組指したい人は必須級になる
指しこなすの方では本組に対する佐藤流千日手作戦の対策として、39玉から攻めることで28玉の一手を攻めに回し後手の理想形を回避してるなど新工夫を出している
(が、39玉にいる理由を本の中で十分に記述してないので知識がない人は消化不良になりそうで怖い)
77角型からの宮本流も指しこなす本では触れられているのである程度新しい形も知れると言える
居飛車の指し方にもう少し工夫の余地はあるものの持久戦の内容はまあまあではないだろうか