空手バカ一代によるとマス・オーヤマは・・・

終戦直後、千葉県の清澄山に修行のため山ごもりをした。
早朝から夕方まで稽古をするのだが、何といっても辛かったのは夜の寂しさだったという。
今と違ってテレビもラジカセも携帯ラジオもない時代である。
夜になると住居にしている山小屋のそばでフクロウが鳴くのだが、
「初めは気味悪かったが、今では恋しい、懐かしい気がする。俺と同じく呼吸をし、体温のあるやつがそばにいるというだけで・・・」

何日かに一度、食料調達のため山を下りるのだが、人恋しさのためついつい長居をしてしまう。
そこで恥ずかしくて人前に出られないように、わざと眉を片方だけ剃ったという。