<明朝>
「ただいま戻りました…はぁ〜…」
「屋舗殿、浮かない顔をしておりますな。調査の結果が思わしくなかったのですか?」
「実頼丸から話を聞いて裏取りをいたしましたところ、真恒殿が殿に虚偽の報告をしていることが分かりました」
「えええ〜!」
「近堂誠太郎と調査に行くとのことでしたが、近堂は家に居り病に臥せっておりました」
「では一体誰と…」
「体格の良い男と出かけたことまでは分かっておりますが、升田ではありませんでした」
「やっぱりあんな人格者の兼井殿も欲求不満には勝てないんですかね」
「このことは、くれぐれも殿には内密に慎重に調査を進めましょう。行片殿、お酒の席で口外などなさいませぬよう」
「はぁ。前向きに気を付けるつもりです」
「しかし、殿も御労しいことだ…」
「あれほど寵愛しておられる真恒殿に裏切られているとは…」
「あ〜、みんなおはよ〜!夕べも夜中に厠に行かなくて済んだよ~。真恒が帰ってくるまであと一晩〜♪」
「…殿…(´;ω;`)」

「兼井太郎真恒、寝狸磨峠より戻りました」
「くるっぽ〜」
「大儀であった、お疲れ~。お恒も戻ったがポッポちゃんも戻った。
明日には大将戦に集まっている方々も寝狸磨に向かって発つとの事じゃ」
「では、早ければ三日後には皆さまこちらにいらっしゃるのですね。
わたくしは二塩殿と実頼丸殿と音合わせもせねばなりませぬ」
「忙しくなるのう。真恒、采配よろしく頼むぞ」
「御意」
「くるっぽ〜♪」

「ヒソヒソ…殿を裏切りながらのあの落ち着いた態度、兼井殿もとんだ狸でございますな」
「ヒソヒソ…只の浮気ならまだしもきな臭い話ではないでしょうな…」
「ヒソヒソ…相手の男の同定が急がれますな…」
「ヒソヒソ…相手の男が童貞かどうかが重要なのですか?」
「ヒソヒソ…ナメちゃん、いいから」