「で、どうなってるの?近堂!」
「あ、こ、近堂の家では代々嫡男が家督相続時に誠太郎の名を継ぐことに…家にいるのは先代…です…」
「え〜、じゃあ、わたしが会っていたのは息子の誠太郎?」
「は、はぁ」
「あ〜、真恒が若い侍にちょっかい出したりなんてしていなかったんだ〜」
「…え?」
「え〜、でも親子で同じところにホクロがあるもの〜?」
「あう…こ、これは先祖代々…近堂家に伝わる…」
「あ〜、私が誠太郎に上げた根付!なんで父親のあなたが持っているんですか?」
「あう、あの、も、申し訳ありません!それがしは皆様に嘘をついておりました!」
「えええ〜、じゃあ、わたしは43歳の子持ちのおっさんとデートしてたの⁈」
「いえ、それがしが17歳の息子のほうです。本当の名前は誠志郎と申します。
 家長になると誠太郎を継ぐのは嘘ではございませんが、今は家に臥せっている父が誠太郎でございます」
「「「「えええええええ〜〜〜〜〜〜っ!!!!!17歳!!!!」」」」
「父が旅の途中ぎっくり腰を患い出仕できなくなった旨の届けを出しに登城致しましたところ父と間違えられ、そのまま仕事を与えられました。
 私は口下手なのでもたもたしているうちに話が進んでしまい、皆様をだますような結果になってしまいました。
 我が家も子だくさんのところに来月は義理の母のお産も控え、手元不如意のため断ることもできず…申し訳ございません!」
「わ〜い!わたしの近堂殿は43歳妻子ありじゃなかった〜!バンザ〜イ!」
「ひえ〜驚いた。まさか余の半分以下の年齢とは」
「まことに申し訳ありません!」
「殿、近堂殿も悪気があったわけではありません。どうかここは穏やかに」
「う、うむ」
「兼井殿、実は近堂殿が17歳って知ってて使ってたんじゃないのですか?
 近堂殿の年齢疑惑は晴れたけど、あなたのセクハラ・パワハラ疑惑は晴れていません!なんで近堂殿を裸にしたのですか!」
「あう、いえ、それがしがみずから脱ぎました」
「ひ〜、未頼丸、余は聞きとうない」
「殿!しっかりしてください!」