「…真恒」
「はい」
「怒ってる?」
「いえ…」
「疑ってごめんね?」
「殿の信頼を得られませんでしたことはわたくしの不徳の致すところ。殿がお謝りになる必要はござりませぬ」
「…怒ってるってことだよね?」
「いえ。ただ、疲れましたゆえ本日はこれにて退出してよろしいでしょうか」
「うむ、ゆっくり休むように。念のため医療方に足など診てもらってから帰れ」
「ありがとうございます。失礼いたします」

「…怒ってますね…」
「だよね〜、どーしよ〜」
「あからさまに間男してたんじゃないかって疑われたわけですから、そりゃ怒りますよ〜」
「殿〜、外で聞いてましたけど大変なことになってませんか?」
「きちんと対応しないと手遅れになりますぞ」
「おお、行片殿、陶山殿良いところへ」
「…近堂は17歳だったか」
「驚きましたね。老けた43歳だと思ってたら、17歳だったとか」
「良い体格してるよね〜。やっぱ、お肌もピチピチだよね〜。水に流されそうになった真恒を助けたことまでは聞いたけど、そのあと何があったか言わなかったよね〜」
「その後のこと?」