振り筒隊の隊長から伝令がやってきました。
私に命ぜられたのは常磐色を掲げた千年紀隊の隊長との一騎打ち。
私はユーキくんとアストくんのためにも勝たなければならない
彼らの可能性を潰してはならないと思ったのです。
千年紀隊の隊長はいつも灰色の帷子を着ていることから帷子様と呼ばれている軍人です。
私はいつにも増して気持ちが焦っていました。
帷子様は歴戦の勇士。
私のその隙を見逃すわけがなかったのです。

────私の目の前は、眩しく揺らぎ

「桜桃様」
「……ユーキくん?」
「うん。帷子様が桜桃様を……彼を連れて帰りなさいっておれに言ったの」
「……負けたんだ。ごめんね……」
「ううん……おれが弱かったからなの。ごめんね、桜桃様……」