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棋聖戦準々決勝・菅井竜也八段(27)−藤井聡太七段(17)戦は千日手成立! 同日指し直しの死闘へ
松本博文 | 将棋ライター 3/31(火) 18:40 Yahoo

 66手目。菅井八段は天王山の5五に歩を進めます。これは角でタダで取れます。タダで取れるということは、その先に菅井八段が返し技を用意しているに決まっています。

 解説の藤井九段と斎藤慎太郎八段は、その歩を取った先の変化を詳細に調べます。そして多くの変化は菅井よしとなります。

藤井九段「おっ、じゃあ技ありだ。菅井ペースだ」

 そう言われた先に、藤井七段は驚くべき手段を用意していました。それが角銀交換の駒損でしのぐ順です。驚くべきことに、それで局面全体のバランスは取れています。

藤井九段「角銀交換でも大変とは気づきませんでした」

 早指しの名手である菅井八段はほとんど時間を使わず、的確な攻めを続けていきます。

時間は大差で菅井八段よしです。一方で盤上の形勢は、次第に藤井七段に傾いたように見えました。

 菅井八段は馬(成角)を切って、藤井陣に金を打ち込みます。対して藤井七段も金や銀を打って支えます。形勢は、あるいは藤井七段よしかもしれませんが、残り時間が少なく、読みきれなかったのかもしれません。

 仕切り直して、これからもう一局。将棋界の未来をになう両雄の対戦は、死闘となりました。