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特集 王将リーグ『才能と努力』#8
【藤井聡太七段】将棋の上達を左右する要因は、才能と努力…そして環境 撮影/吉松伸太郎 取材・文/伊藤靖子(スポニチ) 2019年9月29日 livedoor News

・今期も約半分が終わりました。前半戦を振り返って、100点満点中何点ぐらいをつけられる出来だったんでしょうか?
点数ですか? うーん。難しいですね。4月から振り返ると、パフォーマンスとしては、そこまで良い内容は出せなかったなという感じです。
いちばん、良いところまでいった竜王戦も豊島(将之)名人との将棋は、総合的に見て力の差があるなと感じました。それでも今回、王将リーグに入れたことは大きな収穫だと思っていまして、トップ棋士の方と6局も指すことができるので、その中で自分を高めていければいいなと思っています。
点数というのは…(笑)。うーん。皆さんはどのくらいなんですかね(笑)。

・豊島先生との対局で「差を感じた」とのことですが、具体的にどのあたりに差を感じましたか?
中盤から終盤の入り口のあたりにかけて、豊島名人のほうが比較的、短い考慮時間の中で指されていたところがありました。その中で最善を指されて、それに対して自分が時間を使ったうえに、間違えてしまったというのがあったので、まだまだ足りないところかなと思いました。

・もうひとつ気になるところで言うと、時間の使い方でしょうか。いまのトップにいる渡辺(明王将)先生、豊島先生、広瀬(章人竜王)先生など、相手より持ち時間が少なくなる展開はほとんどありません。一方で藤井先生は、上位の棋士との対局だと、1分将棋に入るタイミングが早くなることが、多いような気もしています。
時間の使い方には改善の余地はあるかなと思っています。ただ、豊島名人は序盤が早いですけど、中盤以降に関しては、とくに早指しという印象はないですし、人によって持ち時間の使い方というのは個性が出るところだと思います。竜王戦の対豊島先生戦のときもそうでしたけど、時間がなくなって終盤でミスをしてしまう、というのはなるべく減らしたいなと思っています。