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千日手+指し直し228手!持将棋222手!持将棋207手!そして名局232手!叡王戦は歴史的死闘に
松本博文 | 将棋ライター 7/20(月) 0:13 Yahoo

 7月19日。愛知県名古屋市「亀岳林 万松寺」において叡王戦七番勝負第4局▲豊島将之竜王・名人(30歳)−△永瀬拓矢叡王(27歳)戦ががおこなわれました。持ち時間は各1時間。19時30分に始まった対局は23時59分に終局。結果は232手で永瀬叡王の勝ちとなりました。

両対局者とも「お願いします」と一礼。ダブルヘッダー後半の第4局が始まりました。

 先手番の豊島挑戦者が得意の角換わりを志向したのに対し、後手の永瀬叡王は意表の横歩取り誘導で臨みました。

 豊島挑戦者は横歩を取った後、「青野流」と呼ばれる有力な作戦で進めます。対して永瀬叡王はすぐに4筋に銀を上がりました。これが用意の構想だったようです。

 先日の棋王戦本戦▲豊島竜王・名人−△上村亘五段戦では、後手の上村五段がこの形で勝利を挙げていました。本局は途中までその前例をたどります。

 25手目、豊島挑戦者が中段に飛車を引き、上村戦からは離れます。

 豊島挑戦者はすぐに銀を合駒。残りは5分です。

 71手目。豊島挑戦者はここで持ち時間を使い切りました。そして端に攻防の角打ち。自玉に迫る相手の龍取りであるとともに、遠く永瀬玉をにらんでいます。この角が好手で、永瀬叡王の攻めがスピードダウンしました。

 104手目。永瀬叡王は秒を読まれる中、盤上中央の角をつかみ損ねます。そしてもう一度つかもうとして手につきません。永瀬叡王を応援する観戦者からは悲鳴が聞かれそうなシーンでした。永瀬叡王はやっとのことで角を手にし、あわてた仕草で豊島陣に角を成り込みます。

 この場面だけを見ると永瀬叡王が追い込まれているようにも見えます。しかし形勢は離れず、依然難しい終盤戦が続いています。さすがは現棋界の序列1位と2位の対戦、というところでしょう。

 はっきり苦しくなった永瀬叡王。しかし自陣に駒を埋め続け、簡単に土俵を割りません。これぞ永瀬将棋。そして再び豊島挑戦者のミスを誘い、ついにまた逆転模様にまで持ち込みました。