トッププロの稽古は厳しい。どうしても敵(かな)わないと泣きが入ることもあったが、西山は耐えた。

あれから2年が経(た)つ。西山は今年度、3度のタイトル戦で里見香奈四冠をことごとく退けて、女流三冠となった。初めて会ったときとは見違えるような実力を身に着けている。しかし奨励会員である西山は出る棋戦が限られており、これ以上タイトルは増えない。つまり出場可能な棋戦をすべて制してしまったのだ。

この2年間の棋士たちの指導と、何よりも西山のストイックな努力は大変なものがあった。今、第66回奨励会三段リーグは12回戦を終え西山は9勝3敗で首位と星1つの差の2位グループにつけている。まだ6局を残している。次回は今日2日、凍り付くような戦いは続く。