タイトルかけた番勝負は“ストレート負けゼロ”
藤井聡太七段の最年少記録の前に立つ渡辺明棋聖の偉大な記録

歴代5位、現役3位のタイトル25期を誇る渡辺棋聖。既に竜王、棋王で永世称号の資格を持ち、今後もタイトル数を増やすと見られていることから、将棋史に名を残す棋士だ。
藤井七段の挑戦を受けている棋聖戦五番勝負、挑戦者として臨んでいる名人戦七番勝負を含めて、タイトルをかけた番勝負の登場回数は35回。これまで終了した33回の全てで、1勝もできずに敗退したことがない。

 33回中、25回タイトルを獲得しているから当たり前のように聞こえるかもしれないが、大逆転として今なお語り継がれるのが、2008年度の第21期竜王戦七番勝負。
挑戦者の羽生善治九段(当時は名人、49)に開幕から3連敗を喫したものの、そこから4連勝して防衛を果たした。
その他、先に王手をかけられてからの連勝もあり、ただでは終わらないからこそ、これだけのタイトル獲得数が積み重なっている。