9月13日 朝日新聞・将棋欄より

1991(平成3)年の王座戦五番勝負第5局。
千日手指し直し局の終盤で、
谷川王座が挑戦者の福崎文吾八段(現九段)に
缶入りのお茶を渡した逸話が残る。

「福崎さんが無意識に何度も空き缶からグラスにお茶を注ごうとしていました。
私も気になり、多めに用意していたので、よかったらどうぞ、と。
時間帯は覚えていませんが、こちらが優勢だったのでしょう」
と苦笑いを浮かべる。

最終盤に△9六桂という棋史に残る妙手が出て逆転。
福崎新王座が誕生した。