運命の“第8局” 恐怖心を克服したボクサーのように、豊島将之のストレートが伸びる
第5期叡王戦七番勝負第8局観戦レポート #1
https://bunshun.jp/articles/-/40312

「いやぁ、料理とお酒が素晴らしいので昨夜は少し飲みすぎてしまいまして」

 立会人の先崎学九段が、頭を掻きながら控え室に現れた。叡王戦第8局の対局場は、神奈川県秦野市の老舗旅館「陣屋」。将棋や囲碁のタイトル戦会場としても有名な陣屋には、食事のときに出されるオリジナルの銘酒「初陣の誉」がある。モーツアルトの曲を聴かせながら醸造することで、酵母の働きが活発になり独特の風味が出るという。