驚異の19歳、藤井聡太 三冠達成直後に控室で話しかけると柔和な青年だったが…(文春オンライン)
https://news.yahoo.co.jp/articles/df7567918086248b3b21a8d5f4a552878d4fffb1

これは読んでいるときの仕草だ
 棋譜は2人で作り上げるもの。豊島対藤井だったからこそ、これだけの名局が生まれたのだ。
 感想戦では私は豊島をずっと観察していた。局後の勝者へのインタビュー、敗者に辛い時間だ。しかし、豊島は正座を崩さす、背筋を正し、こっそりと膝の上で指をタクトのように動かしていた。
 これは読んでいるときの仕草だ。敗戦にうなだれるのではなく、何を間違えたのか、敗着をなにかと考え、反省し、次につなげようという顔だ。

 マイクが向けられると豊島はこう語った。

「強い棋士と指して課題がたくさん見えてきましたし、勉強になった10局だったかな、というふうに思います」

 豊島はもう前を向いている。次の竜王戦七番勝負を見ている。戦いはこれからもずっと続く。

勝又 清和