畠山戦は関西将棋会館(大阪市福島区)の最上位の対局室「御上段の間」で指された。実は、この日は谷川浩司九段(60)の対局もあり、通常であれば十七世名人の資格を持つ谷川が「御上段の間」を使うのだが、谷川は「御下段の間」で対局した。

 桐山は対局開始直後に谷川の元に行き、礼を言った。「部屋割りのボードを見ると、私が上段になっていて、これは谷川さんが譲ってくれたんだなとすぐに分かりましたので、『譲っていただいて申し訳なかったです』と、声を掛けさせてもらいました。何手か指した後で、早い方がいいと思って」と桐山。日本将棋連盟関西本部によると、引退棋士は慣例として「御上段の間」での対局となるが、谷川からも事前に譲りたい旨の申し出があったという。

「ぶざまな将棋指さない」桐山九段の最終局 豊島九段ら弟子見守る | 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20220427/k00/00m/040/404000c