山崎の突然の「上座ですか?」という質問に記録係は「おっ」と声を上げた。そしてすぐに、「下座でしょう。なんとなく」という意味のことをかなり強い口調で指摘した。山崎もすぐさま言葉を返したが、記録係の口調と表情は厳しいままだった。
数分後に山崎が大挙して入室したときには、穏やかないつもの広瀬に戻っていたが、終局直後の記録係のあまりの険しさに圧倒される思いだった。