>>672
元文ごろの徳川家の役人は、

もとより「マルチリウム」という洋語も知らず、
また当時の辞書には献身という訳語もなかったので、
人間の精神に、老若男女の別なく、罪人太郎兵衛の娘に現われたような作用があることを、

知らなかったのは無理もない。
しかし献身のうちに潜む反抗の鋒は、いちとことばを交えた佐佐のみではなく、書院にいた役人一同の胸をも刺した。

この文章を読めば、martyriumを知らなくても類推できるんじゃないの?
ってか、丁寧なマルチリウムの説明の文章だろう。