な、チワワ馬鹿だろ
回想とか父親が死んでるとかまるで意味不明
第一章のプロローグで親父は死んだ、溝口は物質のように死骸を眺める
金閣の幻影も存在理由も溝口が新たに自ら構築したものだ
キッカケは親父でなくて誰でもいいんだよ
書き出しは作品の結構と切り離せない
あれはな、三島の評論風の語り口がだらしなく表れているんだよ
謳いあげるような評論ならまあいい、しかしこれは精緻さを
要求される小説なんだ
三島は作品の虚構性を強調するため徒に体裁を繕った
しかし独立した創作として厳しくよめば明らかな破綻だ
そして三島の小説の文章すべてにこの欠陥は共通している
おそらく書き出しをラフにせずもっと引締った散文の形でスタートしたら
作品は生みの苦しみとひかえにずっと完成度が高くなった
三島の小説文章は才能の披歴を優先するあまりユルユルで、読みにくい