世界の終りと(ryでこんなことを言ってた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 私は『ルージン』を読んでしまうと、その文庫本を本棚の上に放り投げ、流しの中
で更なるウィスキーの残骸を求めた。底の方にジャック・ダニエルズのブラック・ラ
ベルがほんの少し残っているのをみつけてそれをグラスに注ぎ、ベッドに戻って今度
はスタンダールの『赤と黒』にとりかかった。私はとにかく時代遅れの小説が好きな
ようだった。いったい今の時代にどれだけの若者が『赤と黒』を読むのだろう? い
ずれにせよ、私は『赤と黒』を読みながら、またジュリアン・ソレルに同情すること
になった。ジュリアン・ソレルの場合、その欠点は十五歳までに決定されてしまった
ようで、その事実も私の同情心をあおった。十五歳にしてすべての人生の要因が固定
されてしまうというのは、他人の目から見ても非常に気の毒なことだった。それは自
らを強固な監獄に押しこめるのと同じことなのだ。壁に囲まれた世界にとじこもった
まま、彼は破滅へと進みつづけるのだ。
 何かが私の心を打った。
 壁だ。
 その世界は壁に囲まれているのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
赤と黒はブクオフで100円だった。
積ん読中だったけど読んでみようと思った。