丸谷才一
蓮實 まず「私小説」以外の小説(傍点)がはたしてあるのか。原理的な問題としてではなく、
具体的な作品として。たとえば丸谷才一の『裏声で歌へ君が代』、あれは「私小説」的なもの
から可能なかぎり遠ざかろうとしているけど、小説としては零だと思うわけです。『笹まくら』にしても
『たった一人の反乱』にしても読んでいるとつらくなってくるんです。西欧小説にたいする後進国的
な思いこみだけで書いているでしょ、このひと。ヨーロッパのほんの一時期の小説類型に殉じよう
とする特攻隊精神というか、文学はもっと自由でいいわけだ。彼の場合も、「私小説」的に書いた
『横しぐれ』だけがちょっとおもしろい(一同賛同)。むろんよいものが出てくれば褒めるのにやぶさか
でないし、ぼくとしては「私小説」なるジャンルにべつにこだわっているわけではない。 (P32)
『批評のトリアーデ』(1985) >>137
その通りだが、左翼脳には理解できないだろうね。
『裏声で歌へ君が代』
懐かしい。昔読んだ。「 から始まる語り。
小説って自由なんだと思った。 昔ぞっこんでした
しかし『笹まくら』と『楡家の人びと』どっちを読み返すかと言われたら、楡家かなあ
持ち重りする、読んだ人面白かったですか 小説として非常に楽しみました。
こういう豊かな味わいの小説が読める喜びはなんともいえないです。
余禄として、これを、読んでから弦楽四重奏にはまってしまい、
ハイドン、モーツァルト、ベートーベン等等CDをもう10枚以上買ってしまいましたw >>137
戦前の過度な天皇崇拝に対しては違和感を持っていたのでしょうね。
たとえば、丸谷さんが中学生時代の読書について書いたエッセイのなかで、
「多くの民族が酋長や王に対して宗教的畏怖を感じ、『迷信的尊崇』をおこなつたことを説明した」
フレイザーの『サイキス・タスク――俗信と社会制度』を読んで、
「当時猖獗を極めてゐた天皇崇拝が人間の歴史全体のなかでどういふものなのかを、
明確に学んだのである」『男ごころ』147頁
などと書いていました。
ただ、『笹まくら』にしても、『裏声で歌へ君が代』にしても権力に対してずいぶん批判的な
描き方をしているな、と思ったので、国家からの勲章を受け取り、
そして天皇に頭をさげている丸谷さんをみて少し驚きました。 >>144
こういう幼稚な反応をする人も読者のなかにはいるんだと知らされ驚きました。 幼稚というか、小説をなにかこう狭い心で読むというか、
イデオロジーの干物にして飲み下そうとするひとたちが少なくないんだよ。
それで短絡しちゃう。ぶちこわしで、なんにも面白くなくなるよね。 大江や井上ひさしみたいなガチの左翼なら「後鳥羽院」や「新々百人一首」は書かないよ
『完本・日本語のために』を読んだ。
彼の主張、たとえば国語教科書には政治・経済の文章も載せるべきだといった意見には賛同するが、国語教育批判をしている連中の政治に関する知識がこの程度なのだから、下手なことはしないほうがいい。
それにしても、丸谷みたいな非常に有能な人間でさえ、コミンテルンテーゼの焼き直しみたいなものを無批判に信じていたのだから、左翼の情報工作がいかに巧妙であったかが分かる。
現在の中立な歴史解釈からは、治安維持法は日本の歴史と社会秩序を保護した良法であることは常識であるし、
日本国憲法は、前文の理想を実現するものでないことは勿論のこと、成立過程に重大な不備があるために憲法として無効ではないかという説が冷静に議論され始めている。
そこらへんが時代を感じさせるね。過去にも、田沼意次は賄賂政治家で、松平定信は名政治家みたいな間違った歴史認識がまかり通っていた時期があることからも分かるように、仕方ないことなんだが。 ああだこうだと書きましたが、この人が非常に優れた文学者であることは確かです。
あと、明治政府が文字を読める愚民を作った、というあたりには、(こういうと右翼には怒られるのでしょうが)同意しますね。 「今週の本棚」に辻原登の書評がでましたね。
これ以上の褒めようはないという、力のこもった、かつ巧みな文脈での絶賛。
さすがの丸谷さんもここまで言われては照れるんじゃないか(笑
でも、内容的には押さえどころをはずさない、いい書評だとわたしは思います。
ただし、最後がいけない。
「ブラヴィシッシーモ!と。」という結び。
「ヴィ」にアクセントがこなきゃだから「シーモ」はのばしちゃおかしいや。 「手抜き」「不親切」「力がこもっている」
このへんの語彙だけでも丸谷っぽいなとは 今週の本棚:2011年「この3冊」
http://mainichi.jp/enta/book/hondana/news/20111218ddm015070015000c.html
三浦雅士、山崎正和、湯川豊の三人w
「この3冊」は自分が書評した本の中から選ぶ。
毎年、この三人はそうしていた
ところが、今年は違うようだ
思えばこの三人が書いた本は、丸谷から今週の本棚の書評で誉められてんだよなw
「今週の本棚」はもちつもたれずの仲良しクラブだなw
山崎正和の最新刊、「世界文明史の試み - 神話と舞踊」を丸谷が「今週の本棚」でとりあげて
誉めちぎるのが目に見えるw
予言レスとしておこうw >>153
>>山崎正和の最新刊、「世界文明史の試み - 神話と舞踊」を丸谷が「今週の本棚」でとりあげて
誉めちぎるのが目に見えるw
今さっき、ほんの少し立ち読みしたが、ただの蘊蓄本w
題名通り、神話と舞踊の対応関係を具体的に叙述できなければ
何の意味もないwあれじゃ、羊頭狗肉も良いトコだw
山崎など、ちょっと高尚な唐沢俊一に過ぎんw
いきなり上がってるとびくっとするので止めてくれ。なんだかんだ言いつつ丸谷には長生きして欲しいので。 はずれに決まってるだろ
丸谷なら読むが他のゴミ読んでもしょうがない 三浦雅士の山崎「世界文明史の試み - 神話と舞踊」書評だと、
インターネットはいまや新聞をはじめとする従来の報道機関、意識産業を
壊滅させ、人類を流言蜚語(りゅうげんひご)の氾濫(はんらん)に
投げ込もうとしている。
と、なるわけか。
インターネットが既に世界最大の図書館になってる時点で、何を山崎は
言ってるのかね?w
山崎も三浦も痴呆だよw
三浦はダンスマガジンを長年主催してるなら、舞踊についてもっと鋭いことを
言ったらどうなんだ?w
ショボ過ぎだw
2、3千部しか刷ってないだろうから、まだ店頭にあるかどうかw
あれば幸運だなw
三浦雅士『青春の終焉』の解説を丸谷才一が書いてるな
山崎正和『不機嫌の時代』に対抗意識があって書いたんじゃないかと指摘していた
どちらも講談社学術文庫だ
それにしても、この3人は仲がいいw 5月下旬刊
丸谷才一・池澤夏樹編 『愉快な本と立派な本 毎日新聞 「今週の本棚」 20年名作選(1992〜1997)』
豪華執筆陣による達意の名書評が一冊に。毎日新聞書評欄 「今週の本棚」 20周年を記念し、三巻本にて順次刊行。
(毎日新聞社 予価2940円) >>171
文庫化が異常に早いような気がするがどうだろう。
まあ、早く印税を発生させないと手遅れになっちゃうからかな? 純情だね、あんた。w
印税もなにも関係ない。
ハードカバーでも文庫でもなんでもいい、ブツは売れるときに売って儲けを出す。
それだけだ。(笑) 酔っぱらってたらなんだってんだ。
わりーかー。(笑) またこいつのバカレスか。
スレチだろうが、何考えてんだろ。 吉田秀和死去。年齢が年齢だが丸谷グループもなくなっていく人は多いな。 吉田秀和は丸谷グループじゃない、ちょっと感覚がづれてるよあなた。
丸谷はたしかに吉田へのオマージュを繰り返し送ってるが、吉田のほうがだいぶ格上。
丸谷グループなどと、吉田に対して失礼の極みだよ。
丸谷才一のおすすめ本って何かある?
丸谷才一が薦めてる本じゃなくって、
丸谷才一が書いた本の中で、おすすめのもの。 小説?評論?エッセイ?
小説以外だとしたらどんなことを期待してるかによるでしょう。 一応本職は長編小説の書き手ということにして。
まず、「笹まくら」。
そして後期の長編群のなかから一つ選ぶとすると「女ざかり」。
この2作があれば他はなくてもよかった・・・ >>189
できれば小説で、でもジャンルは何でも嬉しい。
品切れ本でなければなお嬉しい。
>>190
ありがとう。
教えていただいた2冊の尼レビューも読んでみました。
まずは「笹まくら」を読んでみようかな。
こっちを選んだのは自分も一時大学職員だったからというつまらない理由だけど 三島も倉橋も一顧だにしなかった作家。はたしてこの人は何か書く理由があったのだろうか?また
あるのだろうか? 三島や倉橋を丸谷が一顧だにしなかったということ?
なんであえてそういう名前がでてくるのかについても趣旨がわかりにくいな。
倉橋って由美子さんのこと?なにがいいたいんだろうね。
読んでるがっておまえねえ、
あの手の小説を一息で読まないというのは
小説の読み方としてはちょっと何だかなあと言わざるを得ないな。 なんだ「薔薇」みたいな作品の醍醐味を味わい切れないのか。
ともに語るに足らず、だな。 丸谷の凄さは春樹が盗作作家であることを見抜いたことで消化ねぇ(藁) いくら何でも「持ち重りする〜」を褒めるのはおじいちゃん芸に凄い凄いとちやほやすることと変わりないのではないか。
おじいちゃん芸を突き詰めて凄いというのはあるがこれはそこまでは行かないと思う。 あの作品を読んで独特のゴージャスといっても良い読書経験を味わえなかったのなら
それはそれまでのこと。おしまい。
ただ、だからといってろくでもない他人の評価を探してきて寄りかかったり
作者の年齢をウンヌンするに至ってはご愛嬌を通り越して・・・ >>201
変な見方だなあ。確かに丸谷ワールドというのはある。
だがそれは一家をなした作家なら誰でも持っているもので、それを特権的に持ち出すことはない気はする。 世の中の流れに敏感になろうと努めてるんだが、いかんせん
頭が足りないから失言失敗の繰り返しだw 作家、評論家、英文学者で文化勲章受章者の丸谷才一さんが13日死去。87歳
(21:00)
たしか野崎歓のことも川本三郎のことも最初に誉めたのは丸谷だった
批評界にも明るい大御所だった
合唱(←ここでこんなこと書くやつってよくいるけど、俺は書かんよ)
1分 小谷野敦 小谷野敦 ?@tonton1965
『忠臣蔵とは何か』なんて悪い冗談だったよ。
開く
37分 小谷野敦 小谷野敦 ?@tonton1965
これで毎日新聞の書評欄が良くなるのか、残党を辻原あたりがまとめていくのか。
開く
46分 小谷野敦 小谷野敦 ?@tonton1965
ああ、やっと・・・。 http://www.47news.jp/CN/201210/CN2012101301001865.html
http://img.47news.jp/PN/201210/PN2012101301001876.-.-.CI0003.jpg
丸谷才一さんが死去 作家、文化勲章受章者
「たった一人の反乱」「女ざかり」などの小説や、ジェームズ・ジョイスの翻訳で知られた
作家で文化勲章受章者の丸谷才一(まるや・さいいち、本名根村才一=ねむら・さいいち)さんが
13日午前7時25分、心不全のため東京都内の病院で死去した。
87歳。山形県出身。葬儀・告別式は近親者のみで行う。後日、お別れの会を開く予定。
東大文学部卒。1968年、女性の自殺をめぐる男たちの葛藤を描いた「年の残り」で芥川賞を受賞した。
ほかの著書に小説「笹まくら」「裏声で歌へ君が代」、評論「忠臣蔵とは何か」など。
ジョイス作品の翻訳に晩年まで取り組んだほか、軽妙なエッセーや日本語論でも親しまれた。
2012/10/13 21:27 【共同通信】 小谷野はtwitterを文学板かなにかと勘違いしてないか
暴言吐くにしてもギャラリーの数がダンチなんだぞ 知り合いも先に多く逝っていったからな。
寂しい晩年になってしまった気がする。 輝く日の宮と1Q84って設定似てるけど輝く日の宮のほうがずっと大人の鑑賞に堪える小説だと思う
おまいら読んでなかったら今すぐ図書館行くなりアマゾンクリックするなりしたほうがいいぞ 981 : 吾輩は名無しである : 2006/11/05(日) 13:25:50
北原武夫「批評家を批評する」(『文學界』1964.7→『文学論集』冬樹社)に、 丸谷才一の批評振りを実例に即して分析した所があり、
秀逸だと思った。
あの時点で既に、丸谷書評のいやらしさは明白になってたのだなあ。 よく言われていた事を過不足なくまとめてくれているという印象 どこがだよw
丸谷の日本文学史論ってまあ詩論でエリオットだろ
丸谷と同年に辻邦生とかいたし、中村真一郎とか
丸谷がそんな特別とは思えない エッセイや評論ばかり読まれてるけど、実は一番凄いのは小説
とにかくはずれがない、短編中編長編全部面白い
中でも一押しは「輝く日の宮」たぶん戦後最高の小説、ベストオブベスト ジョイスとナボコフだけじゃなく
フォースター、ウォーのイギリスの小説から
ボルヘス、マルケスの南米文学も評価してるだろ
ナボコフはロリータがベストセラーになったし
ジョイスもダブリン市民や若き芸術家の肖像があるし
ユリシーズだけでも言葉遊びの作家とだけくくれるものではないでしょ 晩年は確かにことあるごとに最近の文学はいい方に向かってる、それはやはり自分の役割もあるのだといい、自分に言い聞かせようとしていた節も見受けられるからなあ。 吉田健一の晩年ってまだ60代だろ
80代の丸谷が脳天気でもしょうがない
批評関係者は哀れな人生を送ってきたせいでネガティヴな物の見方に蝕まれてるから悪いことしか書かなかったんだよ、今まで。そういう趣味の仲間とだけつるんで来たからそういう行為を競いあって来たようなもん
でも近年世の中が大量の情報に触れて世の中が賢くなったからか色々なものごとに達観したというか理解を示せるようになってみんなが寛容になったから、醜い批評家も物事のポジティブな側面に気づけるようになったということ
批評なんぞも絶滅しつつあって畑違いの人の意見を嫌でも聞くしかなくなったしね
やっと目が覚めたんだな
劣等感という考え方を意識する機会も増えたわけで日々陰鬱な視界で生きてる彼らも己を知れば自然と物事が明るく見えるようになるさ >>224
教養ある政治的日陰者が主流になってしまった例と言えば井伊直スケ。
あと、その文章は少しいじれば蓮實重彦にも適用できるね。 >>224
わたしの感想・・・
内科医って暇なんだなあ、いい気なもんだなあ あんまりピンとくる再批判がないなあ。頷けるものだったら持ち上げるものだが。 丸谷批判なら福田和也の作家の値うちのほうがいいだろう >>235
きみはね、人の意見を探ってるみたいだけどつまらないことだよ。
丸谷を愛読して、気にしていたんだろ。
なぜ、自分は丸谷の本が気になってしばしば読んだのか、
その理由をまず自分のアタマでよく考え直してみたほうがいい。そのチャンスだから。
人の意見を聞きまわるって、方法としては一番実りがないよ。