丸谷才一
蓮實 まず「私小説」以外の小説(傍点)がはたしてあるのか。原理的な問題としてではなく、
具体的な作品として。たとえば丸谷才一の『裏声で歌へ君が代』、あれは「私小説」的なもの
から可能なかぎり遠ざかろうとしているけど、小説としては零だと思うわけです。『笹まくら』にしても
『たった一人の反乱』にしても読んでいるとつらくなってくるんです。西欧小説にたいする後進国的
な思いこみだけで書いているでしょ、このひと。ヨーロッパのほんの一時期の小説類型に殉じよう
とする特攻隊精神というか、文学はもっと自由でいいわけだ。彼の場合も、「私小説」的に書いた
『横しぐれ』だけがちょっとおもしろい(一同賛同)。むろんよいものが出てくれば褒めるのにやぶさか
でないし、ぼくとしては「私小説」なるジャンルにべつにこだわっているわけではない。 (P32)
『批評のトリアーデ』(1985) 三浦雅士『青春の終焉』の解説を丸谷才一が書いてるな
山崎正和『不機嫌の時代』に対抗意識があって書いたんじゃないかと指摘していた
どちらも講談社学術文庫だ
それにしても、この3人は仲がいいw 5月下旬刊
丸谷才一・池澤夏樹編 『愉快な本と立派な本 毎日新聞 「今週の本棚」 20年名作選(1992〜1997)』
豪華執筆陣による達意の名書評が一冊に。毎日新聞書評欄 「今週の本棚」 20周年を記念し、三巻本にて順次刊行。
(毎日新聞社 予価2940円) >>171
文庫化が異常に早いような気がするがどうだろう。
まあ、早く印税を発生させないと手遅れになっちゃうからかな? 純情だね、あんた。w
印税もなにも関係ない。
ハードカバーでも文庫でもなんでもいい、ブツは売れるときに売って儲けを出す。
それだけだ。(笑) 酔っぱらってたらなんだってんだ。
わりーかー。(笑) またこいつのバカレスか。
スレチだろうが、何考えてんだろ。 吉田秀和死去。年齢が年齢だが丸谷グループもなくなっていく人は多いな。 吉田秀和は丸谷グループじゃない、ちょっと感覚がづれてるよあなた。
丸谷はたしかに吉田へのオマージュを繰り返し送ってるが、吉田のほうがだいぶ格上。
丸谷グループなどと、吉田に対して失礼の極みだよ。
丸谷才一のおすすめ本って何かある?
丸谷才一が薦めてる本じゃなくって、
丸谷才一が書いた本の中で、おすすめのもの。 小説?評論?エッセイ?
小説以外だとしたらどんなことを期待してるかによるでしょう。 一応本職は長編小説の書き手ということにして。
まず、「笹まくら」。
そして後期の長編群のなかから一つ選ぶとすると「女ざかり」。
この2作があれば他はなくてもよかった・・・ >>189
できれば小説で、でもジャンルは何でも嬉しい。
品切れ本でなければなお嬉しい。
>>190
ありがとう。
教えていただいた2冊の尼レビューも読んでみました。
まずは「笹まくら」を読んでみようかな。
こっちを選んだのは自分も一時大学職員だったからというつまらない理由だけど 三島も倉橋も一顧だにしなかった作家。はたしてこの人は何か書く理由があったのだろうか?また
あるのだろうか? 三島や倉橋を丸谷が一顧だにしなかったということ?
なんであえてそういう名前がでてくるのかについても趣旨がわかりにくいな。
倉橋って由美子さんのこと?なにがいいたいんだろうね。
読んでるがっておまえねえ、
あの手の小説を一息で読まないというのは
小説の読み方としてはちょっと何だかなあと言わざるを得ないな。 なんだ「薔薇」みたいな作品の醍醐味を味わい切れないのか。
ともに語るに足らず、だな。 丸谷の凄さは春樹が盗作作家であることを見抜いたことで消化ねぇ(藁) いくら何でも「持ち重りする〜」を褒めるのはおじいちゃん芸に凄い凄いとちやほやすることと変わりないのではないか。
おじいちゃん芸を突き詰めて凄いというのはあるがこれはそこまでは行かないと思う。 あの作品を読んで独特のゴージャスといっても良い読書経験を味わえなかったのなら
それはそれまでのこと。おしまい。
ただ、だからといってろくでもない他人の評価を探してきて寄りかかったり
作者の年齢をウンヌンするに至ってはご愛嬌を通り越して・・・ >>201
変な見方だなあ。確かに丸谷ワールドというのはある。
だがそれは一家をなした作家なら誰でも持っているもので、それを特権的に持ち出すことはない気はする。 世の中の流れに敏感になろうと努めてるんだが、いかんせん
頭が足りないから失言失敗の繰り返しだw 作家、評論家、英文学者で文化勲章受章者の丸谷才一さんが13日死去。87歳
(21:00)
たしか野崎歓のことも川本三郎のことも最初に誉めたのは丸谷だった
批評界にも明るい大御所だった
合唱(←ここでこんなこと書くやつってよくいるけど、俺は書かんよ)
1分 小谷野敦 小谷野敦 ?@tonton1965
『忠臣蔵とは何か』なんて悪い冗談だったよ。
開く
37分 小谷野敦 小谷野敦 ?@tonton1965
これで毎日新聞の書評欄が良くなるのか、残党を辻原あたりがまとめていくのか。
開く
46分 小谷野敦 小谷野敦 ?@tonton1965
ああ、やっと・・・。 http://www.47news.jp/CN/201210/CN2012101301001865.html
http://img.47news.jp/PN/201210/PN2012101301001876.-.-.CI0003.jpg
丸谷才一さんが死去 作家、文化勲章受章者
「たった一人の反乱」「女ざかり」などの小説や、ジェームズ・ジョイスの翻訳で知られた
作家で文化勲章受章者の丸谷才一(まるや・さいいち、本名根村才一=ねむら・さいいち)さんが
13日午前7時25分、心不全のため東京都内の病院で死去した。
87歳。山形県出身。葬儀・告別式は近親者のみで行う。後日、お別れの会を開く予定。
東大文学部卒。1968年、女性の自殺をめぐる男たちの葛藤を描いた「年の残り」で芥川賞を受賞した。
ほかの著書に小説「笹まくら」「裏声で歌へ君が代」、評論「忠臣蔵とは何か」など。
ジョイス作品の翻訳に晩年まで取り組んだほか、軽妙なエッセーや日本語論でも親しまれた。
2012/10/13 21:27 【共同通信】 小谷野はtwitterを文学板かなにかと勘違いしてないか
暴言吐くにしてもギャラリーの数がダンチなんだぞ 知り合いも先に多く逝っていったからな。
寂しい晩年になってしまった気がする。 輝く日の宮と1Q84って設定似てるけど輝く日の宮のほうがずっと大人の鑑賞に堪える小説だと思う
おまいら読んでなかったら今すぐ図書館行くなりアマゾンクリックするなりしたほうがいいぞ 981 : 吾輩は名無しである : 2006/11/05(日) 13:25:50
北原武夫「批評家を批評する」(『文學界』1964.7→『文学論集』冬樹社)に、 丸谷才一の批評振りを実例に即して分析した所があり、
秀逸だと思った。
あの時点で既に、丸谷書評のいやらしさは明白になってたのだなあ。 よく言われていた事を過不足なくまとめてくれているという印象 どこがだよw
丸谷の日本文学史論ってまあ詩論でエリオットだろ
丸谷と同年に辻邦生とかいたし、中村真一郎とか
丸谷がそんな特別とは思えない エッセイや評論ばかり読まれてるけど、実は一番凄いのは小説
とにかくはずれがない、短編中編長編全部面白い
中でも一押しは「輝く日の宮」たぶん戦後最高の小説、ベストオブベスト ジョイスとナボコフだけじゃなく
フォースター、ウォーのイギリスの小説から
ボルヘス、マルケスの南米文学も評価してるだろ
ナボコフはロリータがベストセラーになったし
ジョイスもダブリン市民や若き芸術家の肖像があるし
ユリシーズだけでも言葉遊びの作家とだけくくれるものではないでしょ 晩年は確かにことあるごとに最近の文学はいい方に向かってる、それはやはり自分の役割もあるのだといい、自分に言い聞かせようとしていた節も見受けられるからなあ。 吉田健一の晩年ってまだ60代だろ
80代の丸谷が脳天気でもしょうがない
批評関係者は哀れな人生を送ってきたせいでネガティヴな物の見方に蝕まれてるから悪いことしか書かなかったんだよ、今まで。そういう趣味の仲間とだけつるんで来たからそういう行為を競いあって来たようなもん
でも近年世の中が大量の情報に触れて世の中が賢くなったからか色々なものごとに達観したというか理解を示せるようになってみんなが寛容になったから、醜い批評家も物事のポジティブな側面に気づけるようになったということ
批評なんぞも絶滅しつつあって畑違いの人の意見を嫌でも聞くしかなくなったしね
やっと目が覚めたんだな
劣等感という考え方を意識する機会も増えたわけで日々陰鬱な視界で生きてる彼らも己を知れば自然と物事が明るく見えるようになるさ >>224
教養ある政治的日陰者が主流になってしまった例と言えば井伊直スケ。
あと、その文章は少しいじれば蓮實重彦にも適用できるね。 >>224
わたしの感想・・・
内科医って暇なんだなあ、いい気なもんだなあ あんまりピンとくる再批判がないなあ。頷けるものだったら持ち上げるものだが。 丸谷批判なら福田和也の作家の値うちのほうがいいだろう >>235
きみはね、人の意見を探ってるみたいだけどつまらないことだよ。
丸谷を愛読して、気にしていたんだろ。
なぜ、自分は丸谷の本が気になってしばしば読んだのか、
その理由をまず自分のアタマでよく考え直してみたほうがいい。そのチャンスだから。
人の意見を聞きまわるって、方法としては一番実りがないよ。 阿呆な自分の頭で思考したって大抵碌なことにならん。
賢い人に思考して貰った方がマシ。
だから色んな本(愛読の作家だけでなく批判者も含め)を読んで、賢い人の思考に学ぶがいい。 >>237
自分の頭で考えたらどんな陥穽に陥るか、思想のペテン師はよく知っているので、
彼等は人に「自分の頭で考えろ」という。 この人、石川淳の影響がすごく強いね。文体まで似ているときがあるくらいだ。 賢い人だけが自分で考えて、一般人は自分で考えちゃいけないんだお!
自分でものを考えるなんて絶対ムリだお!
偉い人の意見をそのまま聞くのがいいんだお! >>241
教養とはこのような両極端発想に陥らないようにする役割がある。
丸谷の旧字新字の使い方も不徹底であることに意味がある。 >>242
なにか意味ありげに言ってるわりに内容がない発言ごくろうだな。
きみも自分で考えないほうがいいほうのクチらしい(笑 >>243
人に否定的な言葉を投げ掛けて、それを否定させてドツボに嵌めていく。
マインドコントロールの古典的な、有効な手法である。 第50回読売文学賞の授賞式の話。
ながながと挨拶をした小説家って小川国夫にことかな?
どうもそれらしくない気がするから田辺聖子かしらん?おせいさんなら話長そうだし・・ 「快楽としてのミステリー」丸谷才一 ちくま文庫 1050円 11月7日刊行 多和田のやし酒のみ解説、暗に丸谷を批判してるのか。たまたまだと思うが時期が悪かったな。 『薔薇〜』の。最後の、経団連会長と編集長の会話。
人生に対する苦さ。通り過ぎる翳り、上品で軽やか、
本当に、本当にエロチックで芳醇。
『日の宮』で
主人公の女性「彼(主人公の恋人)と結局そうなったのね」
若い女性「そうはならなかったけど、指と舌でとっても…」
みたいな会話が。『薔薇』もそういう場面ありました。
そのものズコズコのエロ小説読むんだったら、丸谷君にしましょう。 賛成。
丸谷さんは濡れ場が抜群にうまい作家でした。
すでに「笹まくら」から、舌を巻く臨場感のセックス描写があるね。 無ぇーよw
でもまああんなもんでも「舌を巻く臨場感のセックス描写」と評せるのはいいことだ
お上品なお文学ばっかり読んでますってことだからなwww 249です。>>251 う〜ん、見解と趣味と好みの作家の相違かも……。
彼の小説には、色々妄想ふくらませる深さと余裕があると思います。
作中の男性、Hは丁寧な仕事しそうです。クライアントの要望最優先で。
男根崇拝マッチョではないのは確か。だから好き。下品妄想失礼しました。 20年も経てば、丸谷さんの長篇小説は一般読者から忘れ去られるだろう。
結局、「横しぐれ」と「樹影譚」が後世に残るような気がする。
本質的には、小説家というよりも批評家・エッセイストなんだよな。 丸谷は海外では基本なのに、日本の文学でそれをやらないのはおかしい、的な考え方を持っている人物だったからなあ。
日本は日本でいいじゃないか、といわれたらおしまいな気がする
中村光夫だったら、それじゃなんで日本文学はろくな作品を生み出せなかったのだ、切り返すだろうが、
丸谷には中村ほど危機意識というか敏感さはなかった気がする。
だから晩年は海外文学に物知りなお爺さんになってしまった。立場的には共通しているのだが。 海外文学に関していうなら盟友だった篠田一士、川村二郎の方が詳しかったからなあ。
篠田はもうちょっと寿命があれば、今でも重宝されていた気がする。 篠田と同等に世界を語れる男となると
いまでは野崎歓くらいかな
でも奴はあんまり話を大きくしたtがらない、いわゆる芸術家タイプだかんね 重宝といえば丸谷こそ自分の才能をじつに重宝に使いこなした人といっていいだろう。
芳醇な味わいのエッセイの楽しさから、書評の醍醐味、スピーチの妙まで。
festina lenteってこういう生き方かも。うらやましい。 萬歳楽「夢浮橋」も丸谷才一の命名だが
今では販売終了となっており入手不能。残念。
意外に素顔は俗物だったけど、そこが愛すべきところでもあったな。合掌。 意外じゃないでしょう。
坊主じゃあるまいし、俗物でない小説家なんてありえなし。
この人の場合はむしろ俗物をお気取るくらい。
俗物じゃない作家というと、丸谷に見出された東峰夫みたいな世捨て人か asahi
10月13日に87歳で亡くなった丸谷才一さんが、短編小説を残していたことがわか
った。1945年8月15日をテーマにした物語で、題は「茶色い戦争ありました」。9
日発売の「文芸春秋」12月号に掲載される。 物語は、二十歳前の学生である「君」が、敗戦を報じる新聞を持つ娘と列車に乗
り合わせたところから展開する。人々のたくましさがユーモラスに語られ、作中
作の仕掛けに丸谷さんらしい遊び心が感じられる。 残されたメモなどから、8月15日の4人の体験をそれぞれ短編にした連作小説「思
へば遠く来たもんだ」を構想していたことがわかった。400字詰め原稿用紙で計
200枚ほどを予定していた。本作はその中の1編にあたる。題名は共に、中原中也
の詩からとられている。 夏ごろから、この連作のために電話取材などを始めたといい、10月7日に自宅で
倒れる直前まで執筆していた。 gekkan bunshun
運命の八月十五日を描いた珠玉の短篇
丸谷才一遺稿 独占掲載
茶色い戦争ありました 思へば遠く来たもんだ3
丸谷さんが好きだったもの/解題 湯川 豊(エッセイスト)