>>316
>大江健三郎とかそういうのは無限に出てきたとか言ってたけど
>私小説家タイプなのかな

大江健三郎の作品群の特徴として

ある閉じた環境が設定される
そこに外部からの亀裂が生じることによって自意識が芽生えるが
この修復によって絶望だけが残る

このパターンの繰り返しに過ぎないとしている

開高自身は日本文学特有の自意識との格闘ではなく
遠心力をともなう外部への移動を目指すのだ、と言っていたが
実際は開高健という自意識の塊が世界中をさまよっているだけ
「輝ける闇」を読んだ三島由紀夫は
舞台設定がベトナムの戦場であるだけで
記述者の意識は書斎にいるのと変わらないじゃないか、と怒っている