★複雑怪奇「ドグラ・マグラ」初期の草稿見つかる
・探偵小説三大奇書の一つとされる作家・夢野久作(ゆめのきゅうさく)(1889〜1936年)の
代表作「ドグラ・マグラ」の初期の自筆原稿が見つかった。
10年がかりで執筆された同作の草稿は多く残っているが、初期の草稿は珍しいという。
久作らを顕彰する「夢野久作と杉山3代研究会」の会員が昨年11月、九州大学記録資料館が
保管している久作の長男の遺品から見つけた。原稿用紙1200枚を超える大作のうち、
後半部分に当たる261枚。久作の研究者・大鷹涼子さん(35)が、初期の自筆原稿と確認した。
同作は九州帝国大学の精神科病棟に収容された「私」を主人公にした複雑怪奇な小説。
久作が作家デビューした26年から執筆を始めたとされ、35年に出版。初期の草稿は
冒頭部分の50枚ほどしか確認されていなかった。