伝記の件は杉山家秘蔵の書簡を資料としてライターに貸与したところ
変な資料配列でどす黒い茂丸像が描かれた事に憤ったというのが真相らしい
ただ、茂丸も直樹(久作)も死の直後まで政界の裏工作で動いていたような人物なので
とても一筋縄ではいかない

遺族はそういう暗部をほじくり返すことに協力してはいけない
最近になってグリーンファーザーとさかんに持ち上げられている
久作の長男は最後の著作で「すべてを明かす」と締めくくっていたが
その直後に祖父や父と同じ脳出血で倒れている
坪内祐三が示唆するように久作の死は2.26事件直後だ

明治以降、あの一族の関与したことは重大な国家機密であり、
軽々に扱ってよいものでは無い
知らないということは、幸せなことでもあるわけだ
目に見える明るい部分だけいいの
まあ、夢野久作の作品群がそれほど明るいものだとは言えないのだけれど…