ドグラ・マグラの謎解きをするに当たって、大きく3つのパートに切り分けて考察する事をお勧めします。
その方が頭の中も整理しやすいと思います。

第一のパート;呉一郎事件(本筋)
        
ここで本筋と言っているのは、正木、若林の学生時代に始まって、第二の事件の夜の
死体すり替えまで。この部分は純粋に探偵小説として書かれておりますので、「答え」が
存在します。驚愕の「真相」を自分でつきとめて頂きたい。

第二のパート;病院内の事象、出来事

この部分は作者が最も苦心した部分で有ろうことは容易に推察できます。
ここには夢野久作の工夫やアイデアが沢山盛り込まれており、最早探偵小説の枠を
越えております。何と言えばいいのかSF的でもあり、表現するのが難しい所。
昭和の初期に、良くこれを思い付いたものだと感心させられます、時代を先取りしています。

第三のパート;付属書(脳髄論、胎児の夢、等々)

ここは読者を混乱させる為の装置でありますが、作者の主義主張、持論の様な物も
盛り込まれています。また謎解きの「ヒント」も散りばめられていますが、読まなくても
謎解きは可能です。