数学は決してみなさんが考えるような無味乾燥な論理、記号
の羅列ではありません。Pascal が言ったようにNous connnaissons
la ve'rite' non seulement par la raison mais encore par le
coeur. ('はアクサンテギュです) すなわち、心が必要です。
岡潔氏は「情緒」とも言っております。数学の論文にはりっぱな
文章表現が必要です。理性のみでは人は読んではくれません。数式
の間に挟む文章が記号とともに一つのtoneをもっていなくては
なりません。フランス語、ドイツ語、イギリス語、の論文で
各々格調がちがいます。意味の近い単語の場合どれを選ぶかで
苦心します。もちろん、真実はただ一つですがそれを読者に
どう興味をもって貰えるかに苦心します。因みに、私は数学者
のはしくれです。専攻は解析学で細かく言えば、複素解析学です。
論文を読む(職業上の)必要から、英語、仏語、独語、露語、
中国語、を習得しました。論文は英語と仏語で書いております。
どちらかといえば、仏語のほうが語彙、表現が豊富な感じがします。