虫樹音楽集
奥泉 光 (著) ¥1,575 272ページ 集英社 11/5
http://www.amazon.co.jp/dp/4087714713/

奥泉光による音楽ミステリーの新しい挑戦。
虫への〈変身〉を夢見た伝説のサックス奏者。彼の行方を追い求めた先に〈私〉が見たのは─。
カフカ『変身』を通奏低音にして蠱惑的な魅力を放つ、音楽ミステリーの新しい挑戦。もう一つの代表作。

話は学生時代、35年以上前にさかのぼる。サックスプレーヤー通称「イモナベ」は『孵化』と『幼虫』という
二つのライブを全裸で演奏して以降、精神に変調を来したとの噂とともにジャズシーンから消えてしまった
はずだった。ところが1990年、小説家になりたての私は『変態』と題されたライブのチラシを見つけてしまう。
そして現在―。もう一度イモナベの行方を尋ねた「私」が見たのは、絶対にありえない戦慄の風景だった。