アントン・チェーホフ
チェーホフは形式化を非常に嫌った印象がある
形式化とは、ストア学派など哲学の思弁的な観念のこと
六号室ではイワンにディオゲネスを否定的に語らせ、ストア派的な考えをもっていた医者アンドレイも色々ひどい事件を味わって
いつのまにかイワンの口癖を自分で発するようになる
諦念するしかない状況を描いてるところが仏教的だが、個人個人の精神の充実を医学とか教育に求めず内面に求めるようなところもある
それを思想ではなく具体的な物語として小説としたのがチェーホフの現代性だね ディオゲネスじゃなくてマルクス・アウレリウスだ。正反対の哲学になっちゃう。 浦雅春、文庫の後書きで章ごとの頭に山崎まさよしの歌詞を引用するのはやめてくれ。 何それ
まさか、>>27はチャールズ・マンソン的な超能力を発揮してないよね? >>28
馬のような名字って短篇集の解説にあるよ。
あれを見て秒速5センチメートルっていう最悪のアニメ映画思い出して、吐き気がしたわ。 チェーホフは本当暗い。
特にヨーヌィチなんかは下手なホラーよりよっぽど絶望的に終ってる気がする だって苦労人でしょこの人
医学生時代から家族養うために死ぬ思いで作品書きまくるけど、当時の小説は今のラノベ並の飽和状態
せっかく書いた作品が長いといっては削られ、オチが弱いと言っては勝手に書き加えられて、編集には馬鹿にされ
あげくに原稿料が現物支給だったり、不買されたりとさんざんな目に
さらにそんな環境のためにまわりの同業者がバタバタ死んでいって、そりゃ人間不信にもなるだろ
「不必要な勝利」や「生きた商品」などで最初期には本物の文学者を目指してた志を感じられるが
だんだん埋め草的な、やっつけ仕事に流れていったのがよく分かる プーシキン、レールモントフ、ドストエフスキー、トルストイ、ツルゲーネフが貴族
ゴーゴリ、ゴンチャロフが裕福な家庭に生まれたのに対して
この人だけは極貧生活からの叩き上げなので、厭世や世の中に対する期待感の無さが凄い イオーヌィチのラストはは厳しいよね…好きな作品だけど…
子猫ちゃんに騙されて墓で待ってるシーンが好きだ >>36
チェーホフは、家が破産して家族はモスクワに行ったのにアントンだけが
人手に渡った家に残って家庭教師をした
家族に見捨てられた思いで少年時代を過ごしたのかもしれない チェーホフの伝記本読むとさらっと書いてあるけど
実際アルバイトで家庭教師しながら医学校通いつつ
家族6人の口を糊するって、普通できないよな 「ミシュス、きみはどこにいるのだろう。」小笠原豊樹訳
「ミシュス、君は今どこにいるのだ?」原卓也訳 この人の小説って、過去から現在(逆じゃなく)を見つめるような視点の
物語が多いですね。
サハリン以降はちょっと違うけど。 映画】ロシアの劇作家チェーホフの戯曲「かもめ」映画化・・・デヴィッド・ドゥカヴニーとヘレン・ハントが出演
1 :禿の月φ ★:2011/10/20(木) 00:58:55.81 ID:???P
テレビドラマ「X-ファイル」シリーズのデヴィッド・ドゥカヴニーが、ロシアの劇作家チェーホフの戯曲
「かもめ」を映画化する作品『リラティブ・インサニティ(原題)/Relative Insanity』へ出演することになった。
Deadline.comによると、映画化作品では舞台をロシアからニューヨークへ移し、
主人公の女優イリーナと作家志望の息子コンスタンティンとの関係を描いていく。
ヘレンがイリーナ役を演じ、デヴィッドはイリーナと愛人関係にある作家、トリゴーリン役を演じるよう。
ふたりのほかに、映画『ナイト&デイ』のマギー・グレイス、ジョアン・チェンも出演する。
戯曲「かもめ」はロンドンやニューヨークで舞台化されており、
2007年にロンドンのロイヤル・コート劇場で上演された舞台で
クリスティン・スコット・トーマスやキャリー・マリガンが出演。
また、別のキャストでイギリス王立劇場でも上演されている。
映画版の撮影は来年から開始される予定。(竹内エミコ)
かもめか……
四大戯曲の中でも一番暗い気がする。
三人姉妹も強烈だけどさ 「さくらんぼ畑」新訳とても工夫されていていいと思うけど
ワーリャの「もっとも高い信仰心!」っていうのがどうも違和感… けっこう若くして死んだんだね、実質的なキャリアが30後半までで
なんか人生達観した印象があったから、もっといってるのかと思った 意外と早く亡くなっているというのもだけど、
自分の中では夏目漱石とチェーホフって似ている感じ
チェーホフは自分の子どもは持てなかったけど >>40-42
貧しい人の治療を無報酬でやったり、子供に教科書を配ったり
慈善活動をしながら作家もする
尊敬するけど、素晴らしい人に出会ったという陶酔感はないな
チェーホフは悪くない
俺の心がおかしいんです >>53
陶酔とか、感涙とかウェットなのはチェーホフに合わない気がする 今のドラマでチェーさんとか呼ばれてるし
ほとんど手帳のネタ?小説かな チェーホフの小説は何も起きない、何かが起きても何も起きない でも、チェーホフは女好きなんでしょう
ブサイクにも手厳しいし そういえば、『1Q84』でサハリン島が取り上げられてチェーホフが盛り上がる
のかと思ったら、意外に注目されなかったような気がする
去年は生誕150周年でもあったのに サハリン島旅行の時でしたか、
日本人娼婦とも手合わせしてましたね。
そして、友人だか編集者だかに手紙で彼女の妙技を伝えていたとか。
当時の日本人は娼婦にいたるまでエネルギーがありました。
貧しかったんですね。
>>61
現代の吉原の娼婦たちもエネルギッシュですぞ。
吾輩は月2回65000円払って、娼婦を買ってまする。
いやあ、買春は楽しい。 童貞だからモテる男の話は辛くなる
現代の英雄とか読んでて苦しかった >>63
レールモントフか。あれは俺のことを書いたかと錯覚した。
あれを映画化した「愛を弾く女」も女に気をもたせて
思いっきり振る男を描いて、完璧だ。俺のリアルと同じ。 >>63
ブサイクで馬鹿な奴が単に偶然で得をする話が楽しいの? >>61
チェーホフは日本に行きたがってたけど、それが目的か!?
結局、寄れなかったんですけどね
香港では楽しんだのかな 検索したらこんなチェーホフの手紙の一文が出てきた…
ぼくに子どもができたら、子どもたちに誇りをもって言ってやります。
『えい畜生、俺だってかつて黒い目のインドの女と性交したことがあるんだよ!
いったいどこで? 椰子の木の庭で、月夜に!』 『チェーホフの中の日本』をネットで調べたら、面白そうな本だった
でも、アマゾンで見ると品切れ
もしかしたら絶版
死ぬ直前には、日本人についてなにかうわごと言ってたんでしょ 文献じゃなく、レイモンド・カーヴァーが書いた『使い走り』って小説で見た
それは病気で死にかけてるカーヴァーが、チェーホフが病気で死ぬまでを書いた小説で
その中でチェーホフが死ぬ前に、何か水夫と日本人について断片的に語ったと書いてある >>70
古本屋では割と見かける率高いと思う
古本屋サイトで検索したらけっこうあったよ
ttps://www.kosho.or.jp/public/book/aimaisearchresult.do
『チェーホフの中の日本』、調べたら全然売ってないですね
>>74さんのところも売り切れたのか、ヒットしないですよ。
2008年刊行で品切れ?
まさか回収してるとか?
手元にある1冊、アマゾンで高く売ろうかな 著者名で検索したらいっぱい出てきました
売るのやめました 74です
78さんが書かれているように「なか」をひらがなにすれば出てきますよ に書かれた短編「獅子と太陽」にホテル日本というのが出てきた
何かこのネームングに深い意味があったのかは分からない
1887年、まだサハリンに行く前に書かれた作品だな 俺がレンタルビデオ屋でバイトしていた頃の話。
当時、レンタルビデオ3本以上借りるとお好きなインスタント食品を
プレゼントするキャンペーンをやっていて、それなりに好評だった。
キャンペーンの最終日の深夜、俺が一人で店番やっていると一人の
太った男がレジに3本のビデオテープを持ってきた。
内容は、全部AVでしかもスカトロ物。
こんなときは、無表情で機械的に処理することにしている俺は、太った男
から、お金を受け取ると、キャンペーンのインスタント食品の中から
好きなものを選んでくださいと隣に置いてあるワゴンを指差したら
なんと、ボンカレーしか残ってなかった。
俺は、申し訳なさそうに、
「すいません、カレーしかないんですけど」って俺が言ったら
その男は、嬉しそうな顔で
「いいえ、大丈夫です。カレー大好きですから」と言ってきた。
その瞬間、俺のポーカーフェイスは崩れ大笑い。
やばいと思ったけど、どうしても笑いが止められない。
でも、そいついい奴で、こんな俺に怒ることもなくスカトロ物のビデオを
受け取るとにこやかな笑顔で去っていった。
今、そいつと俺はメルトモ仲間になってる。 6号室を読んだ
最期すごい怖くなった
これを読んだレーニンが恐怖で部屋から飛び出したってのもよく分かった 黒衣の僧のラストでターニャ!って呼びかけるシーンはゾクゾクするぜ チェーホフの全集は、ちくまと中央公論社の2社から出ていますが、どちらのほうが良いのでしょうか? ちくま版はもってないけど、ググってみると細かい作品が抜けまくってると思われる
中央公論版は今なら5000円くらいで手に入るし全部読みたいならこちらでいいかと
50年くらい前の発行だけど旧字はほとんど使ってないし
ただ訳のデキについては分からん チェーホフを訳した人は大勢いるね。
日本語としての読みやすさを重視するならば、新訳のほうが読みやすいよね。 チェーホフを人に勧めたのだが、評判が芳しくなかった。
登場人物が多いし、関係がややこしいし、文章が読みにくいとのこと。
最近の読みやすさを考慮された現代文学を読んでばかりいるタイプには辛かったか。 新潮のかわいい女・犬を連れた奥さんと、桜の園・三人姉妹。 チェーホフの小説で研究者から最高傑作といわれてるのはなんなの
個人的には6つくらい読んだ中では『決闘』は傑作だと思った 「犬を連れた奥さん」を黒木瞳に演じさせて、濡れ場10分入れてドラマ化してほしい チェーホフってあの年でなんであそこまで人間の感情が分かるんだよ
世界広しといえどこんな作家ほかにみたことない あ、今の電車は客がゼロだったなあ。あれじゃあ、経営大丈夫かなあ。
まあ、いいや。
『桜の園』は喜劇なんですと編集者に手紙で伝えるチェーホフがいるね。
喜劇っていうのは、最後はめでたしめでたしで終わる劇の事でね。
『桜の園』は、ロシア貴族がね、桜の果樹園を売ることになって、苦労する。
売れるかな、売れないかと、あれこれ考え、あれこれいったりしていると、
知人が破格の値段で買ってくれる、まあ、めでたし、めでたしの終幕。
だから、『桜の園』は、チェーホフが編集者に主張したように、
めでたしめでたしの劇で、コメディー、喜劇なんだね。
太宰治が『桜桃』を最晩年に書いたけどねえ、
あれは『桜の園』が背景にあるんだね。
桜桃は本当に果実というより宝石みたいなものがあるからね。
ところで、乗客ゼロ名の電車経営大丈夫かねえ。 研究者が最高傑作といったらそれが最高傑作になるのかな?? 後期の小説や戯曲の中に最高傑作があるんだろうけど
初期の短編にもぐっとくるいいのが多いんだよね
これが19、20の医学生が書いたものだなんてびっくり。
なものがたくさんある
当時チェーホフはどんな経験をしていたんだろうなあ 中二階のある家を映画化してほしい。
主人公西島秀俊、ミシェスは志田未来、リーザは水川あさみで。 >>103
22、3でもう完全に世の中を見抜いてるよな
普通この年代だと、世界は汚いけど自分とヒロインだけは綺麗とか
世の中が汚い事は分かっているけど、その汚さが誇張されたりで不正確な捉え方が多いけど
この人は正確に見抜いてる、頭が良い上に若くして苦労したんだろうな
>>111
それ十代の前半くらいの捉え方だろ
22、3っていったら世の中と折り合いつけつつ前進の希望に満ちているか、
はっきり負けてしまった奴とに別れるぐらいの年代だろ >>112
ちがうでしょ
たとえ負け組でもゴーリキみたいに希望というか変化への望みみたいなものをもってる
でもこの人には最初っから何にもない
チェーホフの作品には何も起きない、何かが起きても何も起きないって言われるが
プラスの方向で、ツルゲーネフやプーシキンらの萌えキャラめいた女キャラも
マイナスで、ドストのよう壮大な事件も何も起きないで、ただ淡々とあたりまえに苦しんで終わる
もっといい歳になって色々諦めれば、そういうの書いても理解できるが
22歳で奥さま、生きた商品、咲きおくれた花とかは普通書けん
良い方にも悪い方向にも、物語をもっと波立たせてしまうのが普通だと思う 広津和郎が103と同じようなことをいってたらしい。
あれだけ人生が分かってしまうと、生きていくのがさぞつらかったろう、云々・・・
開高健のエッセイにそんなことが書いてあった記憶がある。 広津和郎って読んだことがないけど
井伏鱒二が「チエホフの悲哀のような」と書いていたので興味が出た
読んでみたい 広津和郎の『私のチェーホフ』よかったよ
で、「あの年でなんであそこまで人間の感情が分かる」のかっていう
具体的な箇所をあげてくれませんか? 人間の感情とは違うが
『不必要な勝利』(22歳作)で貴族くずれの男が
女貴族にゴミ扱いされて泣いている田舎娘をさとす場面が印象に残ってる
「君はいくつだ? 美少女さん、人生というものはうとましく、汚らわしく、やりきれない代物なんだよ!
君は人生に何を望んでいるんだい? 人生が君にほほえみかけてくれるとでも思っているのかい?
君はないものねだりをしているよ、この地上には、やりきれない生活しかないんだ……」
といって、子供の時に乳母がしてくれた全く救いのない童話を聞かせて
「それで終わりですか……」と彼女に聞かれると
「これ以上何が必要なんだい? 悪人を牢屋に入れてもらいたいのか? そんなことをあてにしちゃいけないよ
僕の乳母は優れた教育者だった、童話の中でさえ嘘をつかなかったんだから
彼女の話では善が勝ったりしないんだ」って言う
この最期の言葉はこの人の創作態度そのもので
あの年でそれを宣言して実際にそうしたってのは凄い早熟だなと思いました でもチェーホフって、そういう絶望的なとこから、
それでも生きていきましょうよ!
人のために頑張って働きましょうよ!
みたいな展開に自然になってくとが凄いと思うんだ
態度としては嘘はつかないのかもしれないが
意識としては決してあきらめていなかったと思う
でも現実的に生活が劇的によくなることなんかなく、
人がゴミ扱いされるようなこともなくならないことは、
よくわかっていて常に絶望もしていたんだろうなと >>116
人間の「感情」っていうなら、日本の作家が他国のを圧倒していると思う。
チェーホフは「人生」ってのを怖いくらいに見抜いてるってことなんだ。
(「宿命」と云いかえたほうが、もう少し正確になるだろうけど。) 見抜くというよりも、人生に対して必要十分な期待しか
抱いていないっていう方が近い気がするな。
筋金入りのリアリストというか。
だから大げさに悲嘆したりしないし、夢物語をぶちあげることもない。
むしろチェーホフ自身は恋をすることができたのかどうかが気になるわ。
手紙とか伝記を見る限りやさしい愛情深い人だったのは間違いなさそうだけど、
その割に恋愛に対する情熱をまるで感じないんだよね。 対訳チェーホフを買うぞ
第二弾、第三弾と出してほしいぞ