俺ずっとこの人がどうしてこんな変ちくりんな形式の作品を書くのか疑問だったんだ
筋もなければオチもない、どう考えても物語として成立してない、欠陥品だ
作家としてやっていくうちに編み出したのかとも思ったが、デビューしたときからそうだった
普通こんなのを書いたら編集に怒られると不安になるはず

それでいろいろ解説読んでも分からなかったんだけどトーマス・マンの評論を読んでやっと分かった
チェーホフは子供のころから、周りの人間の形態模写をやって家族を笑わしてたんだってね
そしてそれをそのまま小説に応用した
つまり彼の小説は物語ではなくモノマネだったんだなと